同じメーカーがつくったごみ処理施設 建設費に違い 約100億円の差はなぜ? 「過疎債」で国民が肩代わり
RKB毎日放送
福岡県田川地区で、8市町村が共同で使用するごみ処理施設が建設されています。 同じメーカーが作った同規模の施設に比べて建設費が100億円前後高いことが分かりました。 【画像で見る】同じメーカーのごみ処理施設 建設費に違い 約100億円の差はなぜ? 発注など建設にかかる事務を委託された大任町は建設費に関する詳細な資料を明らかにしていません。 現場で何が起きているのでしょうか。 ■町民に現金5万円と米5キロ配布 12月議会の終了後もちつきが恒例となっている福岡県大任町。 この日、全ての町民に1人あたり現金5万円と米5キロなどを配ることが決まりました。 予算は2億8000万円。 理由の一つが「ごみ処理施設の受け入れ」です。 大任町 永原譲二 町長(71) 「町民が本当に迷惑施設、よそのごみを全部受け入れてくれたことに対して、非常に迷惑をかけたという状況の中で今回そういう政策を打った」 ■建設費は220億円 根拠は? 「存在しない」繰り返す町長 田川地区8市町村共同のごみ処理施設。建設は大任町に委託されています。 建設費は220億円。 田川地区の議員有志らは工事費用を算出する積算書などを公開するよう求めてきました。 田川市議会 佐藤俊一 議員 「何かあるから情報を出さないと。やましいことがあるから出さないんじゃないかという疑いは多くの住民が持っていると思います」 これに対し、大任町の永原町長は「全国探してもどこにもない」と主張します。 その理由は設計と施工を一括して業者にゆだねる「性能発注方式」だからだとしています。 大任町 永原譲二 町長(71) 「性能担保の発注方式で、行政がそんな積算なんてできません。だからないんです。常に言っていますよね」 ■別の自治体に建設された同メーカーの施設 工事費の内訳あった 福岡県久留米市で2016年から稼働するごみ処理施設。 性能発注方式で建設されました。 大任町と同じメーカー「タクマ」が建設したもので1日に焼却できるごみの量は163トン。172トンの大任町と規模が近く焼却方法は同じです。