同じメーカーがつくったごみ処理施設 建設費に違い 約100億円の差はなぜ? 「過疎債」で国民が肩代わり
久留米市と大任町に対し建設費の詳細などについて同じ形で情報公開請求しました。 開示されたのは大任町が黒塗りの文書などあわせて8枚。 久留米市は680枚。詳細な価格が記載されていました。 久留米市 環境部 山田博紀 計画主幹 「事業者の方からいただいた見積もりをもとに内容として精査したものですのでいわば実際の工事費の内訳的なところになる」 ■同じメーカーの3施設 価格を比較した タクマが建設した3つのごみ処理施設について、建設費を比較します。 久留米市がおよそ144億円。可燃ごみの焼却と不燃ごみの破砕を行う工場棟に限ると94億円。 愛媛県今治市は128億円。 そして、大任町は220億円。 1日に焼却できるごみの量に大差はありません。 資材費高騰などの影響があったとしても同じメーカーの同じ焼却方式の施設でなぜここまで建設費が違うのでしょうか? ■タクマ「回答は差し控えます」 メーカーのタクマに建設費が違う理由や大任町に詳細がわかる資料を提供したのかなどを質問しました。 タクマからの回答 「いずれのご質問に対しても回答は差し控えます」 ■町長「業者は委託で儲ける」 久留米市と今治市は建設業者に運営も委託していて、大任町の永原町長はいわゆる「セット販売」で建設費が安くなっているとの見方を示しました。 大任町 永原譲二 町長(71) 「管理委託したら建設費よりもコストが高くなります。委託の方が。委託で儲けるんですよ業者は。だからこっちを低く落札するために低く抑えるんです、こっちを。で、こっちで上げるんです。建設は安くして、落札をして、あと契約。20年とか25年契約で元取ります」 久留米市と今治市のごみ処理施設は20年間タクマのグループ会社に運営を委託しています。 建設費と運営費の総額はいずれも220億円前後。一方、大任町は建設費だけで220億円。 60人あまりの職員を直接雇用し、今後、人件費も含めた運営費がかかります。 記者 Q 年間運営でいくら?とかいうのは出ているんですか 大任町 永原譲二 町長(71) 「いや今、今から試算してます」 施設の稼働がおよそ3月後に迫る中、運営費がいくらかかるのか、回答は得られませんでした。