マクラーレン・アルトゥーラ 詳細データテスト 改良されたエンジンとシャシー 冷静からやや情熱的に
サーキット性能 ★★★★★★★★☆☆
コンバーティブル化されたアルトゥーラは、マクラーレンのラインナップにおいてはサーキット志向の低いモデルだ。しかし、彼らが使うテクノロジーを考えれば、サーキット走行をためらうことはない。ブレーキは最高だった。アルトゥーラのブレーキディスクは全車カーボンセラミックで、テスト車はモノブロックキャリパーを装備しており、動きはガッチリしていてフェードもない。 もっと広く見れば、アルトゥーラはサーキットで持ち前のバランスを発揮する。より高い力がかかり、限界ハンドリングをより探りやすい場面だ。それらは、公道では必ずしも見ることができない。ターンインでのアンダーステアへと寄っていく挙動は、ハイスピードコーナーでは消え、本格的に滑り出すと、スーパーカーとしては扱いやすい部類に入る。 あとは、もっと適したタイヤがほしいところだ。標準装備のピレリPゼロはすぐに熱ダレしてしまう。だが、オプションにミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2のようなタイヤは、いまのところ用意されていない。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
今回は騒音計が故障したが、ルーフの気密性が高いので、静粛性はクーペとほぼ同等だろうと思われる。それでも改良型アルトゥーラがややうるさいとしたら、それは回収されたサスペンションのせいかもしれない。テスター陣は誰もが、路面に対してより敏感になったと感じたそれは、穴の空いたアスファルトでは間違いなく余計にロードノイズを発していた。路面のジョイントでも、ややシャープさの増した揺れがシャシー越しに伝わってくる。 それを除けば、長距離移動もうまくこなす。クラブスポーツシートは、乗降性が抜群というわけではないが、乗り心地は快適だ。ほどよいボディサイズと上々の視認性も、ストレスフリーなドライブを可能にする。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
保証は車両が5年、バッテリーが6年、ボディワークが10年。オーナーは、かなりの安心感を覚えるだろう。22万1500ポンド(約4364万円)という価格は、フェラーリ296GTSやマセラティMC20シエロよりだいぶ安い。ただし、これまでどおり、オプションが高くつく可能性はある。 ツーリング燃費が9.6km/Lと、経済性は特筆するほどではないが、航続距離は650kmを超える。GTカーの能力としては適切だ。