帝京大が4大会連続Vに王手 主将のFL青木恵斗「一人一人が役割を遂行できた」/大学選手権
ラグビー全国大学選手権準決勝(2日、明大26-34帝京大、国立)4大会連続13度目の優勝を狙う帝京大(関東対抗戦2位)が、前回準優勝の明大(同3位)に34-26で勝ち、13日の決勝(秩父宮)に進んだ。主将のFL青木恵斗(4年)を中心とした堅いディフェンスが光った。決勝は、京産大(関西2位)を31―19で下した早大(関東対抗戦1位)と対戦する。明大は前回決勝の雪辱を狙ったが、返り討ちにあった。 V4に向かい、王者が着実に歩みを進めた。帝京大は堅い防御で明大を封じ、決勝進出。主将のFL青木が胸を張った。 「粘り強く激しい防御をしようと。一人一人が役割を遂行できた」 前半17分までに2トライで14―0とリード。その後は自陣で防御の時間が続いた。それでも「接点で勝っていたので不安はなく、スコアされそうな雰囲気はなかった」と青木。外から攻め込まれて2トライを許し、前半を終えて14-12。しかし高いフィジカル能力も生かし、後半は17分までに3連続トライで31―12と突き放した。相手の外からの攻撃にも対応し、32分にはPGで追加点を挙げ、逃げ切った。 光った堅守には多くの支えがある。練習には、リーグワンでプレーするOBが定期的に顔を出してくれる。FB小村真也(4年)は、埼玉WTB竹山晃暉(28)がBK陣へ守備面や細かい技術のアドバイスをくれることを明かした。さらに昨夏以降、岩出雅之前監督(66)が定期的にタックルセッションを行っている。LO本橋拓馬(4年)は「当たり方のコツを教えてくれる。一人一人がコツをつかんで、ここにきてハマりだした」と自信を示す。防御の際、互いに「2フィート」と声をかけ、オフサイドにならないように2歩下がって当たりにいくという決まり事も浸透。相馬朋和監督(47)、青木主将を中心に積み重ねてきた。 決勝で対戦する早大には、昨年11月3日の関東対抗戦で7トライを献上して17-48で大敗した。それから2カ月。防御を磨き上げてきた。「日本一を目標に掲げて努力してきた。準備して今年も日本一になりたい」と青木。攻守で早大を圧倒し、帝京大が最後に笑う。(石井文敏)