【玉田圭司×名良橋晃|元日本代表が語り合う高校サッカー】ファンタジスタは消えたのか? 話題のテーマを徹底討論で深掘りした“創造性の育成”。指導の鍵は「自然体」(番外編)
高校生、特に1年生は意識次第ですごく成長する
名良橋 やっぱり。根津選手に期待しているんですか? 玉田 期待していますよ。まだまだ足りない部分はありますけど、インターハイに入れて良かったなと思うのは、「こんなに!?」と驚くほど意識がすごく変わりました。ひとつ例を挙げると、今までは片付けしなかったんですよ(笑)。片付けを3年生がしているのに1年生が見ているという(笑)。 名良橋 ハハハ(笑)。ボール回収とか? 玉田 ボールだけではなく、ビブスを片付けるとかも。 名良橋 1年生がまったくしないんですか? 玉田 1年生というよりかは、根津がやらなくて。でも、ちょっと指摘したら、片付けをやるようになるだけではなく、プレーでも自分に足りない部分を自ら分かるようになってきた。だから高校生、特に1年生は意識次第ですごく成長するんだなと思うと、指導はすごく面白いですよね。 名良橋 最も大事なのは選手本人の意識を促すことですか? 玉田 そうだと思います。やらされている感にならないよう、ちょっとだけ言って、あとは自発的に行動するようになるほうが、たぶん覚えていくんですよね。 名良橋 そこも指導の楽しさですか? 玉田 はい。だから選手に考えさせることは結構やっていますね。 名良橋 それは練習から? 玉田 そうですね。なので、僕はそんなに指示しないんです。 名良橋 試合でも、練習中も? 玉田 そうですね。 名良橋 じゃあ、練習でプレーを止めて指示することも少ない? 玉田 そうです。あまり止めず、とにかくやらせる。 名良橋 だって、自分がまだまだボール蹴れるでしょ? それだけで説得力あるから(笑)。 玉田 いやいや、僕は中でやらないですよ(笑)。 名良橋 じゃあ、外から見ながらもプレーを止めずに流して練習していると。 玉田 はい。最初は練習を止めて指示していました。でも、最近は自分が提示した練習メニューを選手がしっかり表現してくれているので、あんまり止めなくなりました。 名良橋 ちなみに練習後の片付けも今はスムーズに?(笑)。 玉田 スムーズですね(笑)。
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