プラスチック加工会社所属の松本光史が語るキャリア15年の試合前「体内年齢が19歳とか出る」
――シューターって、すごく修斗愛が強いと感じます。なので、松本選手も修斗を離れるときは辛かったんじゃないかなと、ずっと思っていました。 松本「修斗愛は、僕ももちろんありましたよ。競技っていう面もちろんありますけど、修斗はファンの人がほんとに親身になって応援してくれるんですよ。あんまり表には出てこない部分かもしれないんですけど。会場に行ったら、いつも同じ人が声をかけてくれたりとか、応援してくれたりとかしてたんで、パンクラスに行っても『チャンピオン、パンクラスでも頑張ってるな』って思ってもらえたらなっていう気持ちが今もありますし、僕が修斗のチャンピオンだったというのはもう多分誰も知らないですけど、なんかその気持ちは今も持ってますね。修斗ファンの人には、松本頑張ってるなって思ってもらいたいです」 ――修斗時代のファンは絶対見てくれてますね。 松本「はい。見てくれてると思います」 ――久米さんへのリベンジ目指して上がったパンクラスなんですけど、なかなか組まれず……。とっておきのカードということもあるでしょうし、久米選手のケガなどもありましたし。 松本「そうですね。いつ試合するんだよと思ってたら発表されてましたね(※4月29日、『PANCRASE 342』で粕谷優介との対戦が決定)。 ――久米選手、1年ぶりですね。 松本「そうですよね。まあ、久米選手に負けてパンクラスに来たのは間違いないですけど、今チャンピオンでもないし、ご縁があったらリベンジしたいって思うぐらいですね」 ――さっき、すごくギラギラしてる人だと思っていたと言いましたが、パンクラスで松本選手を見ているうちに、だんだんギラギラっていう感じじゃなく見えてきました。なんて言うんでしょう、久米選手へのこだわりから別のステージに移ったのかな?と想像していました。その辺はいかがでしょうか。 松本「もちろん、パンクラスのチャンピオンになりたいですし、それを目指しています。でも、デビューして15年、長くやってるんで、自分の限界の強さ、肉体的にはもしかしたら落ちていくかもしれないですけど、MMAってほんとに飽きなくて。試合ごとに、なんぼでもやることが出てきて、それを突き詰めるのが楽しいから、そっちに(気持ちが)ちょっと行っちゃってるのかもしれないですね……うん。ギラギラがなくなるのはあんまり良くないかもしれないですけど。でも、自分、めちゃめちゃ飽き性なんですけど、MMAは15年できるっていう、ほんとにいい競技だなって思います」 ――情熱を向ける方向が変わったんですね。 松本「そうですね。年いったんですかね(笑)」 ――全然そんなことはないです! 松本「アハハ!よく言われます(笑)」 ――さて、久米選手がいよいよ復帰されます。それについてはいかがですか。 松本「もっと試合しろよって思いますけど、もう1回、どっかで交われればと思いますね、はい」 ――その前に、同じ大会でチャンピオンシップがありますね。 松本「はい。(久米選手に)リベンジしたいという気持ちもありつつ、ヤン坊(雑賀ヤン坊達也)選手ともやってみたいんで、ヤン坊選手を応援してます(笑)」 ――昨日の会見では、粕谷選手も久米選手もまたベルトを目指してっていう感じだったんですけど、松本選手は4位なんですから、ベルトに十分絡める位置ですよね。 松本「はい。もちろん絡んでいきたいですね」 ――パンクラスのベルトってどう思いますか。 松本「でかくて、なんかかっこいいなって思います」 ――今のパンクラス・ライト級についてはどう見てらっしゃいますか。 松本「なんかライト級にキャラが揃ってるっていうか、うまく特徴が分散してる。ライト級に関しては他の団体に比べて数も揃ってるし、今チャンピオンになれば価値があるなってすごく思いますね。はい。天弥選手のような若い子も上がってきてるし、上は上でしっかり頑張ってる。レベルが高いと思うんで、そこでちゃんと競り勝てて上を取れれば、自分もまだまだいけるかなって思えると思うんで、獲りたいですね」 ――2団体制覇、見たいファンがたくさんいると思います。きっと似合いますよ。 松本「ほんとですか。どうなんだろう、巻いてみないと分からないですけど、巻きたいですね」 ――では、今度の試合の話に戻ります。ファンに伝えたいこととか、見せたいものはどんなことでしょうか。 松本「そうですね。一番は、ランカー対決だし、相手も強い選手なんで、レベルの高い攻防を見せて、パンクラスはレベルが高いと思ってもらいたいですね」 ――SNSで「若者とやります!」と書かれていましたが、年齢差っていうのは意識されますか? 松本「うーん、ぶっちゃけ、そこまでは(意識はしてない)。僕は相手を強さで見るんで。若い頃は戦績とかも気にしてましたけど、弱くてもちゃんと考えて、強い奴は強いと思うし。(若いと)勢いがどうとかっていうのはあると思うんですけど、別に年齢が行ってても抑え込めれば。まあ、勝てばいいんで。自分は、発信してるよりはそんなに思ってないですけど、ただ、お客さんとか周りの人とかはそうやって見るのはもう間違いないんで、それで楽しんでもらえればって思ってますね」 ――年齢差も、楽しむための一つの要素であると。 松本「うん、そうですね。だから別に自分も年齢のことを言って『若者に勝ちました』の方がみんな喜んでくれるんじゃないかなって思います」 ――カード発表会見の時は、わりと口数少なめというか、渋い感じだったんですけど、あれも演出だったのでしょうか。 松本「いや、緊張してましたね。最後に、“この試合のテーマ”を聞かれた時の『ライカさんと同じ気持ちです』っていう返しは、僕はボケたつもりだったんですけど、ライカさんが聞いてくれてなくて。なんか、その……ライカさんのせいです、はい(笑)」 ――新キャラを作ってらっしゃったわけじゃないんですね(笑) 松本「アハハ! そうじゃないです」 ――では最後に、ファンの方々に向けてメッセージをお願いします。 松本「はい。しっかり練習してきて、試合までまだあともう少しありますけど、今のところ良さそうなんで、いい試合を見せられると思います。応援よろしくお願いします!」 (聞き手・写真/佐佐木 澪)