写真：HOMINIS

ハロプロ研修生による恒例の定期イベント「Hello! Project 研修生発表会 2024 ～春の公開実力診断テスト～」が、5月4日に東京・TACHIKAWA STAGE GARDENにて開催された。 【写真を見る】つばきファクトリーの「妄想だけならフリーダム」を披露する相馬優芽 本イベントはデビューを目指して励むハロプロ研修生のソロパフォーマンスを審査員とファンの投票に評価され、最も投票数が多かったメンバーにはベストパフォーマンスが与えられる。今年はすでにデビューが決定しているハロプロ研修生ユニット'24を除く12人が、あらかじめ指定された楽曲から選んだ課題曲と、選曲から衣装まで全てをセルフプロデュースした自由曲の2曲を披露した。 SEが流れると、お馴染みのまこと(シャ乱Q)が登場し、ハロプロ研修生のメンバーやゲストのつばきファクトリーが自己紹介。ハロプロ研修生出身のリーダーの新沼希空は「10年前は本当に緊張したなという記憶しかないくらい緊張しかしてなかったんですよ。中々一人で大きなステージに立って歌うということはデビューしてからも経験できないことなので楽しんでほしいなと思います」と後輩にエールを送った。 これまでも「Hello! Project 研修生発表会」のMCを務めてきたアラケンの進行でいよいよ本編がスタート。審査員を務めるのはまこと、ダンス指導のみつばちまき、歌唱指導の上野まり子、ハロプロ楽曲を手がける作家の星部ショウ、ハロプロOGの稲場愛香と小片リサだ。 前半の課題曲パートでトップバッターを務めた西村乙輝は真っ赤に染められたステージでBerryz工房の「ゴールデン チャイナタウン」を披露。感想を求められたみつばちまきは驚いた様子で「動きにキレがあったので、すごくいいなと思いました」と称賛の言葉を送った。2番手の牧野永愛はつばきファクトリーの「スキップ・スキップ・スキップ」をにこやかにパフォーマンス。「リハーサルではないので鏡もないので自分がどう踊っているのか分からないんですけど、大きく踊ることを意識して頑張りました」と語る牧野に対して、星部は「昨年よりも成長しています」と期待の言葉を送った。こぶしファクトリーの「念には念」を力強い歌声で披露したのは吉田光里。小片は「最初から最後まで迷いのないパフォーマンス」と語り、「基礎の力とかもついていけば、さらによくなるんじゃないかと思いました」と今後の期待を込めた。モーニング娘。'23の「すっごいFEVER！」を披露した河野空愛はパフォーマンスを終えると「自分に負けそうになったので、少し声が震えそうになったのが残念でした」と悔し涙を浮かべる場面も。杉原明紗はカントリー・ガールズの「ブギウギLOVE」を大胆にパフォーマンス。「舞台袖まで緊張していたんですけど、舞台に立ってみると目の前がカラフルでとても楽しくパフォーマンスができました」と堂々とした立ち振舞いを見せ、稲場は「12歳でそんなに堂々としていたら、これからが楽しみで仕方ないなと思いました。素晴らしかったです」と評価した。アンジュルムの「愛すべきべきHuman Life」を元気いっぱいに披露した大坪茉乃は、まことの言葉通り、まるで自分の楽曲かのように完璧なパフォーマンスを届けた。 後半戦は相馬優芽のBEYOOOOONDS「恋愛奉行」からスタート。「私の大好きなシーブルーのペンライトがいっぱい振ってあってすごく嬉しくて、今までよりも笑顔でできた」と振り返った。カントリー・ガールズの「ブギウギLOVE」でキレのあるパフォーマンスを披露した島川波菜は「どうやったら教えてくれた人を裏切らないパフォーマンスができるか直前まで悩んでいたんですけど、自分の練習したことは全部出しきれたと思います」と自信を覗かせた。続く林仁愛はこぶしファクトリーの「念には念」を披露。上野は「入ってきてイントロが鳴った瞬間に世界に入っていたのが素晴らしかったし、巻き舌とがなりに圧倒されました」と舌を巻いた。 宮越千尋はJuice=Juiceの「イジワルしないで 抱きしめてよ」で妖艶なパフォーマンスで魅了。小片は「やりたいことがすごく伝わってきて良かったんですけど、ここからさらに上に行くにはもっと細かく分析していく力を身に着けられればもっとよくパフォーマンスが見せられるんじゃないかなと思います」と今後の成長に期待を込めた。カントリー・ガールズの「ブギウギLOVE」で個性あるステージを展開した浅野優莉花は「楽しむことを一番心にとめて頑張りました」とコメント。課題曲最後を飾ったのは最年少の服部琉愛。℃-uteの「まっさらブルージーンズ」を最年少らしいフレッシュなパフォーマンスで届けた。 想像を超える課題曲パフォーマンスに会場全員が驚かされる中で、自由曲パートがスタート。白い衣装で登場した宮越はモーニング娘。'15の「冷たい風と片思い」を届けると、吉田はそれとは対照的な赤と黒の衣装を身にまといモーニング娘。'23の「Wake-up Call～目覚めるとき～」を熱唱し、見事に難曲とされる楽曲を歌いきった。相馬は自分に合っている曲と語ったつばきファクトリーの「妄想だけならフリーダム」、浅野はモーニング娘。の「愛して 愛して 後一分」をそれぞれパフォーマンスし、審査員からもその個性が高く評価された。モーニング娘。の「ふるさと」をしっとりと歌い上げた牧野は、その選曲理由を「研修生になって一人で東京に行くことが増えて親の温かさを感じるようになった」と明かすと、思わず上野が涙を流してしまう場面も。全面がざっくりと開いたピンクのスカートで登場した大坪は℃-uteの「桜チラリ」を可愛らしくパフォーマンスし、自由曲の半分が終了。 河野はピンクのドレス姿にカチューシャを身に着け、メロン記念日の「赤いフリージア」を披露。上野は「課題曲のパフォーマンスを挽回したと思います。頑張りました！」と背中を押した。課題曲でも圧巻のパフォーマンスを見せた島川はタンポポの「I & YOU & I & YOU & I」で軽やかなステップを刻みながら、にこやかにパフォーマンス。続く服部は℃-uteの「Kiss me愛してる」をクールな表情で歌い上げると、星部は「パフォーマンスの世界に入っている感じがすごくいい」と絶賛。白と黒のチェック柄で登場した林はJuice=Juiceの「プラトニック・プラネット」を力強く歌い上げ、杉原はアンジュルムの「RED LINE」を楽曲の世界観をなぞるように情熱的なパフォーマンスを披露した。これには星部も「伸びしろがすごいんじゃないですか。今この時点でこのクオリティなら、本当に未来が楽しみだなと思いました」と12歳のパフォーマンスに感嘆していた。自由曲の最後を務めたのは西村。モーニング娘。OGである高橋愛と田中れいなへの憧れから選曲したモーニング娘。の「愛され過ぎることはないのよ」を熱唱した西村は最後を飾るにふさわしいパフォーマンスを見せ、それを見ていた稲場も「圧巻」と絶賛した。 ここからは審査員とファンの投票時間を挟み、小片が「映画の趣味が合うだけ」「虹を超える」、稲場が「圧倒的LOVE」「Pink Temperature」、つばきファクトリーは「Power Flower ～今こそ一丸となれ～」「Stay free & Stay tuned」で熱狂の渦に包み込むと、ハロプロ研修生ユニット'24が登場し、新曲「未来ハジマリ」を初披露。さらにハロプロ研修生19人が集まり「天まで登れ！」をノンストップで届けた。 そしていよいよベストパフォーマンス賞の発表へ。まずは審査員特別賞として、「まこと賞」を相馬、「ダンス賞」を杉原、「歌唱賞」を吉田、「稲場愛香・小片リサ賞」を西村が受賞した。会場が緊張感に包まれる中で、ベストパフォーマンス賞に選ばれたのは総得票数のほぼ半分を獲得した林。会場から大きな拍手が起こり思わず感極まる林に、小片は「課題曲を歌った瞬間にこの子だと思っていた」と語り、稲場は「これからもどんどんいろんなものを吸収して素敵な人になるんだろうなというのが今からとても楽しみです」とエールを送った。林は昨年の実力診断テストでベストパフォーマンス賞を受賞したJuice=Juiceの川嶋美楓を見て憧れていたことを明かし、「自分の努力がみなさんに伝わったんだなって思うと、すごく嬉しいです。ありがとうございます」と涙を浮かべながら震えるような声で感謝を述べた。 今年もハイレベルなパフォーマンスで様々なドラマを生み出した「Hello! Project 研修生発表会 2024 ～春の公開実力診断テスト～」。これを機に羽ばたいていくメンバーたちの姿を見届けたい。 取材・文＝川崎龍也