【囲碁】脚本家の小松江里子氏が決勝観戦「対局追うと脚本の着想と違う脳が動く」沼にドップリ
囲碁のトップ女流棋士4人が和服姿で初めて対局する「女流囲碁アマノ杯青龍戦」(優勝賞金250万円)が7日、横浜市「三渓園」で行われた。1手30秒の早碁で午前中の準決勝、藤沢里菜女流本因坊(26)対上野梨紗女流棋聖(18)戦、上野愛咲美女流立葵杯(23)対謝依旻七段(35)の後、午後からは勝った藤沢と上野愛で決勝が行われ、藤沢が優勝した。 決勝の観戦記は、NHK大河ドラマ「天地人」や映画「利久に尋ねよ」などの作品を書いた脚本家の小松江里子氏が初挑戦した。今回の対局を企画・監修をし、上野愛、上野梨姉妹の師匠でもある藤沢一就八段の一門を後援する「伝統文化棋道振興財団」の評議員でもある。藤沢と知り合いになった「碁縁」で、今年2月から囲碁を始めたという。 今回は、決勝前の両者の表情を観察した後、控室で藤沢の弟子の本木克弥九段に解説をしてもらいながら、対局を追う。時に分からない部分を尋ねて手ほどきしてもらい、熱心にメモを取りながら、息詰まる熱戦を終局まで見つめた。 「囲碁の対局を追うと、脚本の着想とは違う脳が動き出します。脳が進化すると思いました。集中すると楽しい時間が飛んでいく。いい時間の使い方です。囲碁とは一生関わっていきたいです」と語る。 小松氏にとって、囲碁は「1つの物語」。登場人物のその伏線をどう描くのか、どうアレンジしていくのかは、脚本と通じるとも考えている。しかも、「知らない世界だからと、初心に戻って勉強する。形を知った上で崩していく面白さがある」。ドップリと黒白の沼にはまっている。 対局後、こうも語った。「囲碁と出会ってよかったです。子どもの知育、シニアの頭の体操にいい。神様が作った最高のゲームに何かの形で頑張っていこうと思います」。すっかり堪能した様子だった。