ゾンビ企業との「取引あり」は12.1% 回収に「問題なし」約7割、適切な支援で成長を秘める
Q1.健全な経営状態ではないにもかかわらず、融資や補助・助成金などにより倒産や廃業を免れている企業を「ゾンビ企業」と呼ぶことがあります。貴社はこうしたゾンビ企業と思われる企業と取引がありますか?(択一回答)
【取引先に「ある」 12.1%】 ゾンビ企業との取引の有無を聞いた。「仕入先にある」は2.8%(5,443社中、156社)、「販売先にある」は5.9%(325社)、「両方にある」は3.2%(178社)で、合計12.1%が取引を有している。 「取引がある」と回答した企業の業種別(中分類、回答母数10以上)は、最多は「貸金業,クレジットカード等非預金信用機関」の36.3%(11社中、4社)、「物品賃貸業」34.1%(41社中、14社)が続く。業種柄、取引先は多岐に及ぶが、審査体制が確立し、取引先への評価の眼が厳しいことが背景にあるとみられる。
Q2.Q1で「仕入先にゾンビ企業」「販売先にゾンビ企業」「両方にゾンビ企業」と回答された方に伺います。ゾンビ企業と思われる企業とそれ以外の企業を比較すると、ここ数年(3-5年)の取引量はどのように推移していますか?(択一回答)
【「減少」が43.3%】 Q1で「取引がある」と回答した企業に、取引量の変化を聞いた。636社から回答を得た。 トップは「大きな変化はない」が50.0%(318社)で半数を占めた。ただ、「増加」は6.6%(42社)に対し、「減少」は43.3%(276社)と大きく開いた。 回答を業種別(中分類、回答母数5以上)で分析すると、「増加」は、「その他の製造業」が20.0%(5社中、1社)でトップ。ノベルティの製造機器を手掛けている企業が該当した。 「減少」は、最多は「繊維・衣服等卸売業」の88.8%(9社中、8社)で、建築設計や機械設計、測量などの「技術サービス業」が80.0%(5社中、4社)で続いた。
Q3.Q1で「販売先にゾンビ企業」「仕入先・販売先、両方にゾンビ企業」と回答された方に伺います。ゾンビ企業と思われる企業からの債権の回収状況は、それ以外の企業と比較してどのような状況ですか?(択一回答)
【「期日を超えて入金」が29.6%】 債権の回収状況(期日との比較)について聞いた。 ゾンビ企業とその他の企業に「大きな差はない」は65.2%(483社中、315社)だった。また、「期日までに入金」は5.1%(25社)、「期日を超えて入金」は29.6%(143社)と20ポイント以上開いた。 「期日を超えて入金」と回答した企業を業種別(中分類、回答母数5以上)で分析すると、トップは「物品賃貸業」の80.0%(10社中、8社)。以下、「設備工事業」の62.5%(8社中、5社)、「機械器具小売業」の60.0%(5社中、3社)と続く。