余命半年、10歳で亡くなった娘。「微力かもしれないけれど、無力ではない」レモネードで伝えたい小児がん支援【体験談】
アメリカではポピュラーな「レモネードスタンド」で小児がん支援
―― 現在小川さんは、主に沖縄県内を中心に、病院や医師会のイベント、沖縄の店舗前、小学校や高校のイベントでレモネードスタンドを開いて、小児がん支援を行っています。レモネードを売って小児がん支援をしようと思ったきっかけは、3年間暮らしたアメリカの生活でした。 「“レモネードスタンド”はアメリカに住んでいたときに知りました。もともとアメリカではレモネードスタンドで、子どもたちがレモネードを作り、ガレージ等で売って、おこづかいを稼ぐのがポピュラーなんです。実際に娘たちが在米時に通っていた学校でも、ハロウィンなどのイベントで子どもたちがレモネードを売って学校の運営費にあてていました。小児がんのアメリカの少女が、同じ病気と闘う友だちのがん治療の研究や闘病を助けるためにレモネードスタンドで資金集めをしたことも有名です。 私はレモネードなら子どもでも支援しやすい金額だなと思っていました。これからの未来を作るのは子どもたち自身です。小学生ぐらいの子どもでも支援しやすく、お金持ちじゃなくてもだれでも気軽に支援できる金額だと考え、私もレモネードスタンドをやってみようと思いました」(小川蘭) ―― 小川さんのレモネードスタンドでは、1本200円でレモネードを販売し、経費を除いた全額を小児がん支援にあてています。 「ペットボトルのレモネードを1本200円で販売していて、その他にもイラストレーターの326(ミツル)さんが描いてくださったイラストのTシャツを販売しています。Tシャツの売り上げは、こども病院で過ごしている子どもたちのために贈るプレゼント代にあてています。 近々『全国一斉レモネードスタンド2024』に参加する予定です。“小児脳幹グリオーマ”のお子さんを持つお母さんたちの呼びかけで、6月9日に全国各地でレモネードスタンドを一斉に開きます。私は沖縄の『Living Design SQUARE awase』内の『マックスプラス泡瀬店』の店舗前でレモネードを売る予定です。 ※詳細はインスタグラム「全国一斉レモネードスタンド」(@zenkoku_lemonade)で告知します。 レモネードを売るということも大切ですが、まずはこの活動を広めていきたい、いろんな人に知ってもらいたいと考えています。小児がん支援は私以外にも多くの方が寄付をしていると思いますが、その研究費はまだまだたりないと言われています。研究を進めるには、個人の力だけではなく、国の支援も必要です。この活動をたくさんの人に知ってもらうことで、この声を国に届けたい、国を動かしたいという思いで発信を続けています」(小川蘭)
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