「ナベツネと正力松太郎」野球に与えた影響の差…プロ野球全体の繁栄をどう考えていたのか
正力松太郎、渡邉恒雄、ふたりの「巨魁」を比較するとき、思い至るのは、正力が読売グループの勢力伸長を目指しつつも、つねに「社会、業界全体の繁栄」を意識していたのに対して、渡邉はひたすら「読売、巨人の覇権」のために働いたのではないか、ということだ。 1959年、「野球殿堂表彰」が始まると、正力松太郎はその第1号として殿堂入りした。プロ野球の経営者としては、大映スターズなどの永田雅一、日本ハムファイターズの大社義規が殿堂入りしているが、渡邉恒雄もそのリストに名前が載るのだろうか?
文中敬称略。 球界再編時の新聞各紙、および『球界再編は終わらない』(日本経済新聞社)などを参照した。
広尾 晃 :ライター