NZ銃乱射テロ 日本は人ごとなのか?
頻繁に海外旅行、テロの標的を探す?
事件後に犯人の氏名が公表されると、犯人が旅行した世界各国の政府から関連する情報と照会が寄せられました。これらによると、犯人は犯行に至るまでの数年間に不自然と思えるほど頻繁に海外旅行に出かけていました。西欧各国やトルコ、パキスタンを回り、東欧にも出入りしていました。 ブルガリアのツァツァロフ検事総長は、犯人が2016年にボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビアを訪問し、主に古戦場を見て回ったと報告しています。2018年11月には再び東欧を訪れ、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニアの古い戦場遺跡を巡りました。ブルガリア政府は、犯人がブルガリア国内で誰かに会っていないかについては現在調査中としています。 一方、トルコ政府も、犯人がトルコを数度訪れていることが判明したため、トルコで何をしていたのか、誰かとコンタクトを取ったのかを調べているとしています。 2018年10月、犯人はパキスタンの最北部を一人で訪れ、ホテルに2泊したようです。ただホテルオーナーの話では、不審な様子は見られなかったとのことでした。パキスタンはイスラム教徒が多い国ですが、犯人は滞在中、「人々は純粋な心を持ち、とても親切に旅行者をもてなしてくれる」と好意的な感想を残しています。ムスリムへの嫌悪感などおくびにも出してはいません。情報によれば、犯人はアフガニスタン、中国の新疆ウイグル自治区も旅行しているとのことです。 こうした足跡を見ると、欧州以外ではイスラムの国が多いことに気付きます。そこで何をしていたのでしょうか。ニュージーランドでのテロを実行する前に、テロの標的を捜していたのでしょうか。どうやら日本に来た形跡はないようですが、犯人が日本の情勢については既に分かっていたのでしょうか。日本は白人の国ではありませんが、ヘイトクライムはあります。ある特殊なグループがマイナリティ社会を嫌悪し、何らかの方法で攻撃するというパターンは欧米の事例と同じです。今回のニュージーランドの事件が日本にも波及しないよう、警戒を怠るわけにはいきません。