プロが断言「さらに上がるマンションはこれだ」首都圏・近畿圏・中部圏マンション騰落率ランキング250
首都圏、近畿圏、中部圏のマンション騰落率をランキングにまとめた。あなたの資産は上がったか下がったか。今から買うべきか売るべきか。 【図表をみる】プロが選んだ「さらに上がるマンション」10選 ■5年で約1.5億円も値上がりした物件とは 首都圏、特に東京都心マンションの高騰がとまらない。 プレジデント編集部では、マンション情報サイト「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインドの協力を得て、2018年と23年の70平方メートルあたりの物件取引価格を比較。東京、神奈川、千葉、埼玉、近畿(大阪、京都、兵庫)と名古屋市で18~23年に中古物件として販売履歴があった築10年以内のマンションを対象にランキング化した(図表2~7)。加えて、首都圏と近畿圏の駅別の騰落率のベスト10とワースト10のランキングも作成した(図表8、9)。 特に東京については、都心3区(千代田区、中央区、港区)、城西・城南9区(新宿区、渋谷区ほか)、城北・城東11区(文京区、豊島区ほか)、都下(東京都のうち、23区を除く市町村)に細分化した。東京でも都心とその周辺、23区外でマンション価格の動きが大きく異なるからだ。 例えば都心3区の騰落率トップである「パークコート千代田富士見ザタワー」は18年時点の70平方メートル価格1億4220万円に対し、23年は2億8996万円。5年で1億4776万円も値上がりし、騰落率としては103.9%。2倍以上に高騰しており、他の地域とは価格も率もケタ違いだ。 このランキングを専門家はどう見るのか。住宅評論家の櫻井幸雄氏は「エリアの価格に比べて比較的割安だった物件が上位にきている」と話す。 「全体的に見ると、そこまで有名ではなかったマンションがちらほら見受けられます。売り主も大手ではなかったりして、販売時点でそこまで強気に売り出せなかったマンションが、不動産市況やエリア人気の上昇にあやかって高騰してきている印象ですね」 ■「神奈川最高」の物件もさらに高くなっている なかでも「パークコート千代田富士見ザタワー」はマンション価格高騰の象徴のようなマンションだと語る。 「14年3月に分譲されたのですが、東日本大震災で冷え込んだ不動産市況が、アベノミクスの金融緩和政策などの影響もあって活況に向かっていくタイミングにピッタリ重なった物件なんです。今だったら考えられない価格で売り出された、超お買い得マンションと言えるでしょう。都心3区はほかの物件も港区中心に、今再開発が進んでいるエリアに近い物件が多いですね」 都心3区は「億ション」どころか、2億~4億円のマンションばかりだが、23区内のほかの地域はどうだろうか。「新宿や渋谷のある城西は都心3区に次ぐエリアですね。やはり駅近のマンションが多い印象です。ただし、4位のグランスイート不動前シティテラスは駅徒歩9分、5位のザ・パークハウス二子玉川ガーデンは駅徒歩10分と、駅から多少離れても、エリア人気が高ければ評価が見直されています。城北・城東でいうと豊洲のある江東区の印象が強いですが、台東区、豊島区などがここ10年ほどで急速に上がった地域。都心ど真ん中とは言えなくとも、そこに隣接したエリアで、割安で買える最後の聖地のような場所でした。しかし、すでにだいぶ上がってしまい、誰でも買える場所ではなくなりましたね」 1億円未満で購入できていた区部も、今や軒並み億ション化してしまったのだ。横浜もこの傾向が強く、1位の「ザ・タワー横浜北仲」は69.3%と、都心と遜色のない上がり方をしている。 「横浜も中心地の超高層マンションの人気が高いですね。ザ・タワー横浜北仲は20年の売り出し時点でも神奈川県内で最高価格をマークした高額物件だったのですが、そこからさらに大幅アップしています」 これら人気エリアに比べると、東京都下や横浜・川崎を除く神奈川、千葉、埼玉はまだ手が届きそうな価格帯だ。 「確かに億ションはほぼありませんが、もともとはもっと安かったエリアなんです。例えばライオンズ立川グランフォートは分譲時から『立川にしては高い』と言われていたのですが、5年前に比べて2000万円近く上がっています。千葉はつくばエクスプレス沿線の人気が高まっており、流山おおたかの森と柏の葉キャンパスあたりの物件は出れば出るだけ売れるようなエリア。埼玉も、新三郷や越谷レイクタウンといった、大型商業施設が駅近にあって買い物の利便性の高いところが子育て世帯に人気で高騰しています」 近畿圏ではこの5年ほどマンション価格の上昇がとまっていた京都の物件の高騰が目立ち、名古屋市は富裕層向けに販売されたという「グランドメゾン御園座タワー」が1位に。ともに駅近の人気マンションがさらに高騰している様子がうかがえた。