自転車の交通違反に「青切符」、信号無視・逆走など取り締まり対象に…いっそう問われるマナー
信号無視・逆走・猛スピード
赤信号や一時停止の標識を無視したり、歩行者を妨害したりといった自転車による危険行為に遭遇して、ヒヤリとした経験がある人は少なくないのでは。自転車の利用者によるこうした悪質な交通違反を取り締まるため、違反者にいわゆる「青切符」を交付して反則金を科す「交通反則通告制度」が2026年までに導入されることになりました。導入の背景には、危険行為が原因とみられる自転車事故が後を絶たず、自転車に乗る人のマナーがいっそう問われるようになっていることがあります。自転車ジャーナリストの遠藤まさ子さんに話を聞きました。 読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、自転車に乗る人の悪質なマナーについての投稿がたびたび寄せられています。 「自転車のマナーが悪過ぎてびっくりすることが多いです」と訴えたのは、都心に住んでいるという「じてん」さん。信号のある交差点で、歩行者用の横断歩道の信号が「赤」、車両用の信号が「青」のとき、横断歩道を横切る自転車を見かけました。 しかも、その自転車は、車道の左側を走るべきなのに、右側を逆走してきたのだそう。「逆走せず、横断歩道ではなく車道を走ってほしいです。私は車を運転することもありますが、逆走自転車が赤信号の横断歩道を渡ってくるとは……」と困惑した様子です。 この投稿へのレス(反響)を見ると、悪質なマナーを目にした人は少なくありません。 「子供を後ろに乗せて片手でスマートフォンを操作しながら自転車を運転している人がいました。それも、何回か目撃しました」(「あ」さん) 「商店街をすごいスピードで走る男性が恐ろしいです。邪魔だ!と声を出しながら我がもの顔で、人と人の間を縫って走っていきました」(「ママチャリライダー」さん) 「先日、右折車線に入っていく自転車を見て驚きました。乗っていたのはおじいちゃん。やけに車線の真ん中を走っている自転車だな、とは思っていたのです。自転車は右折車線に入っていき、赤信号で止まり、信号が青になって右折して行きました。自転車は軽車両だけど……車を運転していると、本当に怖い」(「おにぎらず」さん)。交差点では自転車は2段階右折をするルールになっていますが、それを知らずに間違った行動をした人がいたようです。 「自転車とぶつかりました。」というタイトルの投稿もありました。トピ主「働くママ」さんは、子どもを保育所に預けた後、その日のスケジュールなどをスマートフォンで確認しながら、駅に向かって速足で横断歩道を渡っていました。そのとき、前から走ってきた自転車とぶつかったというのです。 近くの交番で事故を届け出て、翌日病院へ。幸いケガの程度は軽く、打撲との診断書を発行してもらいました。その後、相手の保険会社から連絡があり、治療費や慰謝料を請求しようとしたところ、夫から「自分だって歩きスマホをしていたんだろう。請求するなんて、家族として恥ずかしい」とたしなめられたそう。 この投稿には、200件余りのレスが寄せられ、「びっくり」マークが5500回以上も押されています。トピ主さんの歩きスマホが事故を誘発したとすれば、自転車に乗っていた人とトピ主さんのどちらに過失があったのか分かりにくいという指摘が目立ちます。 「歩きスマホで前をちゃんと見ていなかったのに、自転車が悪者になるのですか?」(「しんご」さん) 「私も自転車に乗ります。歩きスマホ、本当に怖いですよ。前方から歩きスマホの人が来たら止まって待ちますが、ひたすら画面を見ていて向こうから自転車に突っ込んできます」(「歩きスマホやめて」さん) 自転車ジャーナリストの遠藤まさ子さんは、「自転車対歩行者の事故の場合、事故がどこで起きたか、また、自転車のスピードがどの程度出ていたのかがポイントになります。この投稿だけでは、横断歩道に自転車横断帯があったのかなかったのかなど、具体的なことがわからないので何とも言えませんが、すでに警察に届けているのであれば、第三者の目できちんと処理されていくでしょう」と話します。