フル液晶メーターにステアリングスイッチってもはや上級乗用車レベルじゃん! 新型キャンターの豪華内装と安全装備がスゴイ
14年ぶりに内装デザインを一新!
配送や荷物の運搬で、街なかを走りまわる小型トラック。数ある働くクルマのなかでも、世間にもっとも親しみを持たれている車種といえよう。なかでも「キャンター」は、三菱ふそうトラック・バスが1963年に発売して以来、何度も改良を重ねて今日に至る、我が国屈指の小型トラックだ。近年はEVタイプもバリエーションに加わり、利用者にとって選択肢が増えている。 【画像】まるで高級車!? 三菱新型キャンターのインテリア そのキャンターが、大規模なモデルチェンジを行なった。その目玉は、14年ぶりにインテリアをリニューアルしたことである。内装を落ち着いた色に統一したことに加えて、ダッシュボードのデザインを流れるようなスタイルにするなど、洗練されたビジュアルに仕上がっている。 なかでも目を引くのはステアリング前方にあるメーターだ。フル液晶パネルを採用し、速度・エンジン回転数・水温・燃料の状態など、走行に必要な情報がひと目で把握できるように視認性を高めている。 また、ダッシュボード中央にセンターディスプレイをオプション設定。ナビゲーションやラジオを、タッチパネルで簡単に操作できるようにしているのだ。こういったディスプレイは、トラックの電子化・AI化・IoT化には不可欠なものである。今後、さらに機能が追加されていくことになるだろう。
ステアリングスイッチも標準装備!
新たな装備はそれだけではない。操作性・操縦性の向上を図るために、高級乗用車の専売特許だったステアリングスイッチを標準装備したのだ。車両情報の切り替えや各種機能の設定に加えて、オーディオの音量調整や電話のハンズフリー通話などを、ステアリングから手を放すことなく操作できるようになっている。 安全性に関しても最新の装備を搭載した。トラックの事故で発生率の高い左巻き込みを防ぐため、「アクティブ・サイドガード・アシスト1.0」をAMT(オートメーテッド・マニュアル・トランスミッション)車に標準設定したのだ。これは、左死角に隠れた危険を知らせる安全装置で、側方ミリ波レーダーでモニタリングすることにより、危険を察知した場合には警報音とランプで警告するというもの。それでも危険回避が難しいと判断されたときには、20km/h以下の領域でブレーキを作動し、車両を緊急停止させるようになっている。 衝突被害軽減ブレーキシステムとしては「アクティブ・ブレーキ・アシスト5」を搭載した。危険の検知はミリ波レーダーに加えて、新採用の前方認識カメラを使用。前方の交通状況を検知し、歩行者や走行している車両に加え、停止車両などの障害物に対して衝突リスクを低減する。また、前方認識カメラは「制限速度」「追い越し禁止」「一時停止」といった標識も感知。液晶メーターに表示して、ドライバーに注意を促してくれるのだ。また、ルームミラーの位置には液晶モニターを設置。これは広角のバックカメラに連動しており、車両後方の状況を確認できるようになっている。 ドライバーの見守り装置としては、「アクティブ・アテンション・アシスト」をオプション設定した。フロントガラスに装着したカメラと顔認識カメラにより、ドライバーのわき見やまぶたの動きなどを感知し、運転注意力の低下が判断されるときには警告が発せられる。このように、ミリ波レーダーに加えて高性能カメラや、その解析システムが進化したことにより、より高度な安全システムが搭載されるようになってきている。 この延長線上にある完全自動運転化も、そんなに遠い未来の話ではないようだ。
トラック魂編集部