ライブで顔を上げるのも怖かった──喉の「爆弾」と闘い続ける、「残響散歌」Aimerの素顔
『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』のOPテーマ「残響散歌」を歌った歌手・Aimer(エメ)。「残響散歌」はBillboard JAPAN “JAPAN HOT 100”で歴代1位となる7週連続1位を記録した。15歳の頃、突如声が出なくなる事態に見舞われ、いまも喉に「爆弾」を抱えた状態で歌っているという。「Aimer(エメ)」という名前を正しく読んでもらえなくても、自分の歌さえ聴いてくれればかまわないと語るAimer。メジャーデビューして10年の軌跡は。(撮影:河邉有実莉/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
私の声しか必要じゃないと思っていた
「デビューしてすぐの頃は、自分が前に出ることで、“音楽のイメージを壊したくない”という気持ちがすごく強かったですね」とAimerは語る。 「私は、自分の声しか必要じゃないと思っていました。ライブで顔を上げるのも怖くて、うつむいてしか歌えなかったんです。でも、ライブを重ねるようになって、人間としての部分を表に出してしまっても、逆に好意的に受け取ってくださる人がいることが衝撃で」
Aimerは2011年にメジャーデビューし、アニメのテーマソングなどを中心に活動開始。2016年にはRADWIMPSの野田洋次郎が楽曲提供した「蝶々結び」をリリースし、各種配信チャート1位を獲得。2019年には日本テレビ系ドラマ『あなたの番です』主題歌「STAND-ALONE」を歌い、ファンは幅広い年代層に広がっている。今年2月から6月には全国22カ所28公演のライブツアーが開催され、大盛況で幕を閉じた。 「自分は、声を邪魔しちゃう存在なんじゃないかってずっと思ってたけど、そうじゃないふうに受け取ってくださってる方もいるのかなって思えたのは、ここ数年ですかね。いつも聴いてくれて、応援してくれている人がいて。スポットライトの光が、だんだん怖くなくなってきて。人間としてのAimerは、ファンの方が肯定してくれたって思います」 ひとつひとつの言葉を丁寧に選びながら、魅惑的なハスキーな声と、柔和なトーンで語るAimerの姿に、インタビュー中もどんどん魅了されてしまう。だからこそ自分の人格を出さないようにしていたという話には驚かされる。