ライブで顔を上げるのも怖かった──喉の「爆弾」と闘い続ける、「残響散歌」Aimerの素顔
「Aimer(エメ)」を正しく読んでもらえなくても、幸せ
身を賭して歌い続けるAimer。その一方で、自身の知名度が高まっていることについては、いまひとつピンとこないと言う。 「『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』のオープニングテーマとして、「残響散歌」をご家族で聴いていただいたり、ちっちゃいお子さんにも聴いていただいたりしていて、嬉しくなります。Aimerの楽曲を、アニメやドラマを通じてたくさんの方に聴いていただいているのはとても光栄に感じているのですが、実感があんまりまだ湧いてないんです。町を歩いていて、声をかけられちゃうとか、そういうのは一回もなくて」 自分の歌さえ聴いてくれれば、「Aimer(エメ)」という名前を正しく読んでもらえなくてもかまわないと語る。そこには、エゴよりも歌そのものを優先する、Aimerというシンガーの矜持が顔を出す。 「『この人の曲っていいよね』って、そういうふうに言ってくださるだけで、自分は、生まれてきて、歌ってきて、良かったなって思うし。聴いてくださる人や、ライブに足を運んでくれて一緒に音楽を共有できる人がたくさん増えていったら、お互いにとって、すごい幸せだなって思っています」
Aimer(エメ) 2011年にシングル「六等星の夜」でメジャーデビュー。代表曲「蝶々結び」などを収録した4thアルバム「daydream」を2016年9月にリリースし、各種配信チャート1位を獲得。2022年には『テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編』オープニングテーマ・エンディングテーマ「残響散歌/朝が来る」をリリースし、Billboard JAPAN “JAPAN HOT 100”で7週連続の1位を記録。バラードからロックまで幅広い音楽を歌いこなす。今年10月には、ぴあアリーナMMと大阪城ホールという1万人収容の会場でのライブをひかえている。 (取材・文:宗像明将)