“神ドラフト”はどこだ…専門家が徹底分析 複数競合を引き当てた逸材の未来
“源田の後釜”のショートにこだわった西武「意外に早く1軍で使われるかも」
一方、1位指名の抽選で複数回外した球団はどうしても、当初の構想とは違う指名を余儀なくされる。ソフトバンクは最初の入札で宗山、2度目の入札でも福岡大大濠高・柴田獅子投手(日本ハムが指名)を抽選で外し“外れの外れ1位”で神戸弘陵高・村上泰斗投手を指名した。 「即戦力の遊撃手を最初に狙い、最終的に高校生投手を指名したわけですから、当初はもう少し下位での指名を想定していたのかもしれませんね」と中尾氏。ただ、ソフトバンクは分厚い選手層を背景に、今季パ・リーグを独走で制した。「特に投手にはまだ余裕があり、数年後に出てきてくれればいい、という意図を感じます」とも指摘する。 西武も最初の入札で宗山、2度目の入札でも高校ナンバーワン遊撃手の花咲徳栄高・石塚裕惺内野手を抽選で外し、金沢高の遊撃手・斎藤大翔内野手を1位指名。こちらはあくまで、遊撃手にこだわった。中尾氏は「31歳の源田(壮亮内野手)の後釜を獲っておきたいという、明確な意図を感じました」と語り、「高校生ですから基本的には時間がかかるでしょうが、そういうチーム事情で、首脳陣がいけると判断すれば、意外に早く1軍で使われる可能性もあると思います」と付け加えた。1位指名を予想する声もあった中で2位で指名できた大商大・渡部聖弥外野手が、チームの得点力アップに貢献できるか。 下位指名の選手が“大化け”する可能性も、もちろんある。12球団中11球団が事前に1位指名選手を明かさず、虚々実々の駆け引きが行われた今年のドラフト。数年後に“答え合わせ”をしてみたい。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki