音楽が破る黒人と白人の「壁」 名門の足跡たどる「スタックス・レコード/メンフィスの伝説的レーベル」U―NEXTで配信中
【志らべのユー、次なに見る】 U―NEXTで音楽ファン必見のドキュメンタリーが配信開始されましたよ。 「スタックス・レコード / メンフィスの伝説的レーベル」。私なんぞは、タイトルにスタックス・レコードと入っているだけでワクワクしちゃいますな。数々のスターや名曲を生んだ名門レーベル、スタックス・レコードの足跡をたどる番組全4話です。 アメリカの音楽の都、テネシー州メンフィスに、カントリー音楽好きのジム・スチュワートと姉のエステル・アクストンがスタックス・レコードを設立します。家族経営の小さなレーベルの歩みを、過去の映像や音源、関係者のインタビューと共に振り返ります。 まず、スタックス・レーベルと言ったら、黒人音楽の先駆者、というイメージがあります。が、元々はカントリー音楽を扱っていたとは知りませんでした。その頃の曲を聞くとパッとしないんですね。方向転換して、ブッカーT・ジョーンズやオーティス・レディングなどの才能が集まってきます。ただ、黒人のマーケットには届いても、なかなかアメリカ全土には届いていかない。それは、人種差別が激しい時期で、ラジオ局も黒人向け白人向けとあり、黒人と白人が一緒に歩いていると警察に捕まるくらいなのです。 イギリスで人気が出ているというのでライブに行ってみると、白人の観客たちが総立ちで踊る踊る。メンバーたちがその何十年も前の出来事を語るのに実にいい顔をしているんですよ。「俺たちは受け入れられているんだ!」と。だって、母国では白人は白人、黒人は黒人なんて小さな争いをしているのに、ヨーロッパではホテルも一緒だし、黒人の音楽を白人が普通に楽しみに来ている。もう泣けちゃいますよ。でも、アメリカに帰るとまた現実が戻ってきてしまう。 ブッカー・T・ジョーンズ、サム&デイブ、オーティス・レディング、スティーブ・クロッパーなどなど私の大好きな、いや、忌野清志郎だって大好きだった音楽家たちを大勢見られます。年末はスタックスの音楽で踊って過ごしたい! そんな落語家です…。 (立川志らべ) ※配信は予告なく終了している場合もあります