ライオン「詰め替え」推進でプラ使用量8割減。花王と協業で「水平リサイクル」を実現
貧困家庭の子どもに「褒められる」体験を
格差の背景には、生活環境や身体的な状況、また正しい情報が届いていないことや経済的な理由でオーラルケアができないといった理由がある。 経済的な理由については、貧困が大きな問題となっている。 「日本の子どもの7人に1人が貧困状態にあります。貧困と虫歯は相関関係があり、経済的に余裕のない生活困窮家庭では、そうでない家庭に比べて子どもの虫歯が2倍程度多い。中には家に歯ブラシがない子どももいるのが現状です」(小和田さん) 生活困窮家庭の子どもは褒められる経験が少なく、自己肯定感が著しく低いという特徴があるという。そうした「経験」の機会を提供するため、ライオンはこども食堂を展開するNPO法人むすびえとプログラムを開始した。 「プログラム設計のポイントは3つ。楽しく遊びながらオーラルケアが学べる。褒められる体験をする。ほかの人とコミュニケーションをする。 この活動にはライオン社員も巻き込み、多くの社員がボランティアで参加し、こども食堂で活動しています」(小和田さん) ほかにもユニクロと協働して歯ブラシの回収を行うなど、さまざまな企業・団体との協働に力を注ぐライオン。健康習慣づくりの元祖としての取り組みは加速し続けている。 (文:湯田陽子、撮影:伊藤圭) ※本記事は、2024年4月に実施された、台湾政府・企業による日本のESG視察ツアー時の内容を抽出・編集したものです。
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