「独特の世界」荷台の上が舞台の“軽トラ庭園コンテスト”がすごい!どんな技術や美しさを競うのか聞いた
庭師のこだわりと技術が凝縮
荷台という限られた空間で庭を魅力的にみせるには、一体どのような技術や工夫が施されているのだろうか? 富山市役所と共にコンテストを運営する「富山造園業協同組合」の代表理事・伊藤志朗さんに話を聞いた。 ーーコンテストのルールを教えて。 富山造園業協同組合の会員であることです。事業所または班(組合は地域ごとに7班に分かれている)を代表して出場します。 2023年までは「富山らしさ」「遊」などのテーマを決めていましたが、2024年は自由としました。ルールとしては、軽トラのあおりを広げない(面積を広げない)があります。 ーーどのように評価しているの? 投票は(1)フェスティバルの来場者(2)来場した組合員投票があります。来場者は自分の気に入った作品を3つ選んで投票します。組合員はプロの目線で見て、良いと思う作品を2つ投票します。 一般投票から、1位「富山市長賞」賞金5万円、2位「花と緑の銀行富山支店長賞」賞金3万円 、3位「富山市緑化推進委員長賞」賞金2万円。富山造園業協同組合組合員特別賞は1位のみで 賞金5万円、となっております。 ーー2024年度の1位作品は? 城造園による作品でした。「富山市長賞」と「富山造園業協同組合組合員特別賞」とのダブル受賞となりました。 底に穴の空いたかめを地中に逆さまに埋め、かめのなかで穴から滴り落ちる水滴が共鳴音を奏でる「水琴窟(すいきんくつ)」という仕掛けを作り、来場者一人一人にその音を聞かせる努力をしており、それが得票に繋がったと思います。 ーー軽トラ庭園の魅力はどんな所にある? 限られた狭い空間に庭師のこだわりと技術が凝縮されている点です。 「軽トラ庭園」はいわば、造園業者の移動できるお庭のショールームです。いかに狭いスペースに美しく作庭するか、そして軽トラックの重量制限があるなかで、発泡スチロールでかさを増したり、軽量土壌などを使用したりなど、さまざまな工夫が施されています。また、伝統技術や作庭技術を駆使しただけでなく、近代の庭造りのニーズに合わせ、それぞれの独自性をだした、さまざまなアイデアを凝らした物となっております。 ちなみに、SNSで話題となっている事に対しては、「造園の魅力、庭の魅力を伝えることができて素直に嬉しく思っています」とのことで、「来年も2024年同様ハイレベルな競い合いをして、来場者に喜んで頂ければ幸いです」と今後への意気込みも話していた。 荷台の美しさと技術を競い合う「軽トラ庭園コンテスト」。次はどのような素晴らしい作品が誕生するのか楽しみだ。
プライムオンライン編集部