「さすがに3位はダメ」無党派層の支持を集める石丸氏の猛追で苦境の蓮舫氏。必死の選挙戦も「小池氏の二番煎じ」野党関係者は「このまま国会に“再入学”は勘弁」
無党派層では石丸氏>蓮舫氏
そこにきて、蓮舫氏を猛追しているのが広島県安芸高田市の前市長、石丸伸二氏だ。告示日以降、マスコミが小池氏、蓮舫氏、石丸氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏らを主要候補として横並びで取り上げるようになったこともあり、これまで主にインターネット上で知られていたにすぎなかった石丸氏の知名度は上昇。 いまだ情勢調査では蓮舫氏が石丸氏を上回っているが、永田町関係者に衝撃を与えたのは、無党派層の動向だった。 「朝日新聞でも日経新聞でも、無党派層では蓮舫氏よりも石丸氏のほうが支持を集めていました。とくに日経では、石丸氏が無党派層の2割を押さえたのに対し、蓮舫氏は1割にとどまっています。無党派層が多い東京でこの結果は、蓮舫陣営には脅威でしょう」(全国紙政治部記者) 石丸氏は1日で10ヶ所ほどを回り、5分間ほどの短時間の演説を繰り返す選挙スタイルをとる。自身が知名度を上げたインターネット上でも、中田敦彦などの著名人とコラボし「バズリ」を狙っている。 「蓮舫氏は選挙前から知名度があり、立憲支持層や共産支持層の大半の支持をすでに得ているので、伸びしろには欠けます。『小池氏にも蓮舫氏にも入れたくない』という有権者が石丸氏に流れているのでは」(同) 一方、安定した戦いぶりを見せるのが小池氏だ。とくに、子どもへの月5000円給付などの子育て支援政策が評価され、女性からの支持で蓮舫氏を突き放す。 「小池氏は連日、公務を理由に街頭演説をほとんど行わない余裕ぶりを見せています。 とはいえ、主要候補者の討論会では、田母神氏が『築地には小池知事の悪口を言う人が多い』と指摘すると『ちょっと、お友達を選んだ方がいいと思いますけど』と思わず反論しました。 「希望の党」騒動のときの“排除”発言を彷彿とさせるもので、小池氏の悪い癖が出ました。あと1週間ほど何も失言をせず、ひたすら公務をPRする作戦です」(同)
「2位でもいいけど3位じゃダメ」
余裕の小池氏には離され、石丸氏には猛追され、立憲内の空気は重い。 26日には、大島を訪れ「(少子高齢化など)島特有の課題に直接向き合う都知事になりたい」と訴えた蓮舫氏だが、党内からは「小池氏は選挙戦の序盤ですでに島しょ部を訪れ、大きく報じられていたので、蓮舫氏の島しょ部訪問は二番煎じの印象を与えてしまう。すべてにおいて小池氏のほうが上手」(同)とため息が漏れる。 「党内はもはや都知事選に関して『2位じゃダメ』の雰囲気は消え、『2位でもいいから、なんとか小池氏との差を縮めたい』というムード。でもさすがに、3位じゃダメすぎるでしょう」(立憲議員) 一方、この状況にほくそ笑む人々も。 「蓮舫氏は自分ばかり目立とうとして、周りへの根回しもしないから、国会を離れて都知事選に出てくれて本当によかった。3位になって、衆院選でも勝たずに、国会に戻らないでほしい」(野党議員) 都知事選の告示前、同僚議員の前で「国会を一足早く卒業する」と宣言して涙した蓮舫氏。「すぐ衆院選に鞍替えして再入学でしょ」と冷ややかな視線も浴びていたが、「再入学」もできるかどうか……。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班