松平健インタビュー・三池崇史と挑む令和版「新・暴れん坊将軍」の魅力とは?
1月4日にテレビ朝日系で「新・暴れん坊将軍」が放送される。「暴れん坊将軍」は1978年にシリーズがスタート、2003年まで放送された時代劇の名作だ。シリーズ12作のほか、3作のスペシャルを合わせた放送回数はなんと832回を数え、同じ俳優が演じた単一ドラマとしては大川橋蔵さん主演の「銭形平次」の888回に次ぐ。 視聴者はもとより関係者からも新作を望む声が多く届いていたという本作が、2008年12月放送の「テレビ朝日開局50周年ドラマスペシャル」以来、17年ぶりに復活することとなった。還暦を迎えた将軍・吉宗の、これまで描かれることがなかった家族の事情がストーリーに加わる。そんな、“令和版・暴れん坊将軍”への思いや見どころ、エピソードを、主演の松平健さんに聞いた。
――「暴れん坊将軍」が17年ぶりに復活することになりましたが、話を聞いた時の率直なご感想をお聞かせください。 「今、時代劇をテレビでほとんど見ませんよね。映画ではいろいろな時代劇が公開されていますけど、別の角度から撮った時代劇が多い印象です。『暴れん坊将軍』のような勧善懲悪の時代劇はなかなかないですし、再放送を見ると『今見ても面白いな』と感じるので、復活できればいいなとは思っていました。ちょうど、私のデビュー50周年という機会もあって、テレビ朝日さんがお祝い的に企画してくださってありがたいと思います」 ──シリーズが始まった当初、松平さんは24歳。当時と今とで、変わったこと、変わらないことはありますか? 「シリーズ放送時はレギュラー番組だったので、演者もスタッフもずっと同じメンバーとやっていました。だから、チームワークができていて、撮影がとても楽しかったことを覚えています。今回はスペシャルでこの一回限り。監督も脚本家も今までと違う方でしたので、今までにない、“新たな暴れん坊将軍”ができたという自負があります。とはいっても、白馬に乗ったオープニングもそうですし、じい(御側御用取次役・加納五郎左衛門=小野武彦)との笑える場面など、懐かしいと思っていただける場面もいろいろありますよ。また、京都の東映撮影所にも久しぶりに行ったのですが、皆さん若返っていたことも印象的でした。特に昔と違うのは、女性のスタッフが増えていたこと。今は撮影機材が軽量化しているので、女性でも問題なく運べるようになったことが影響しているのかもしれません。それでも、シリーズの頃から顔見知りのスタッフも3人残っていて。皆さん、とても喜んで迎えてくださいました」 ──「暴れん坊将軍」を初めて手がけた三池崇史監督、脚本家の大森美香さんとご一緒されての印象はいかがですか。 「三池監督とは、『警部補ダイマジン』(テレビ朝日系/2023年)でご一緒した時に、『“暴れん坊”やりたいね。時代劇やりたいね』という話をしていたんです。今回、監督が三池さんだと聞いて、それを実現してくださったんだなと思ってうれしかったですね。去年の7月に上演した舞台『暴れん坊将軍』を三池さんと大森さんが、それぞれ見に来てくださったんです。ですから、お二方とも、“暴れん坊”の世界観をとてもよく理解してくださったという印象があります。特に三池さんは、残虐なアクションが得意な方というイメージが強いですが、そういう作風は抑えて暴れん坊の世界を尊重してくださった。大森さんが描かれた現代に通用する内容の物語も面白いと思いましたよ。今で言うホストクラブのような場が出てきて、そこで娘さんがだまされる…といったストーリーは時代劇をあまり見ない若い人でも身近に感じられるかもしれません」