松平健インタビュー・三池崇史と挑む令和版「新・暴れん坊将軍」の魅力とは?
──今作では、シリーズ史上初めて、“父親としての吉宗”が描かれます。嫡男・家重を演じた西畑大吾(なにわ男子)さんとの共演はいかがでしたか。 「若い方との共演は大変新鮮でした。今の若い方って、私が若かった頃に比べると、そんなに緊張しないんじゃないかな?(笑) 私が“暴れん坊”を始めた頃は周りにいるのは大先輩ばかりでしたから、付いていくのが大変だったんです。西畑さんは、踊りをやっているからか運動神経がとてもよくて。立ち回りに関しては『こうした方がやりやすくなるよ』といった助言はさせてもらいましたが、すごく素直に聞いて、すぐにできるようになるんですよ。レイビアという洋剣を使って、ましてや左手での殺陣でしたから。難しい立ち回りをよくやったなと思います」 ──ほかに、撮影で印象に残っていることはありますか? 「昔のシリーズで御庭番・梢を演じていた高島(礼子)くんが、今回は女将さん(町火消“め組”棟梁・辰五郎の妻)役で出演しているんですね。『昔のクセが身についているみたいで、どうしてもこうなっちゃうんです』と言って、立っていてもいいシーンでひざまずいていました(笑)。それと、撮影の方法そのものも印象的でした。今のドラマはワンシーンを通して撮影して後からカット割することが多いんですが、昔、“暴れん坊”を撮っていた頃はカット割が最初からできていたんです。今回もそのやり方で撮ったので、何度も同じ芝居をしなくて済んだ。ワンカットに集中して芝居ができることがよかったですし、西畑さんも『やりやすかった』と言っていましたよ」 ──いろいろな見どころがあるでしょうが、松平さんご自身が今作に感じている手応えはどのような部分でしょうか。 「時代劇が少なくなったと言いましたが、いわゆるチャンバラ、立ち回りはあまり見られなくなりました。あったとしても、ワイヤーを使ったアクションが主流になっています。『暴れん坊将軍』はワイヤーなどは使わない、昔ながらの立ち回りなんですね。そのスピード感を楽しんでもらいたいです。その立ち回りはかなり細かく撮っていますので、それが編集されてどんな画になっているのか。私もまだ完成版を見ていないので、仕上がりをとても楽しみにしています」