ハロウィーン明け、長谷部渋谷区長「無事やり過ごせた」 来街者微増
ハロウィーン翌日の11月1日、長谷部健渋谷区長が報道陣の取材に応じ「何とかやり過ごせた」と振り返った。(シブヤ経済新聞) 一部の来街者らによる犯罪・迷惑行為などが社会問題にもなっていたハロウィーン期間の渋谷。今年は、渋谷はハロウィーンを「休む」と宣言し、来街を控えるよう呼びかけ。10月25日・26日、30日31日には区の職員延べ141人、30日・31日には民間の警備員延べ185人程度を導入するなどして、路上飲酒の注意、路上滞留抑制などを行った。 一夜明けて、長谷部区長は「飲酒を禁止した成果は出ていて、ごみが減り、大きな事件・事故はなかったと感じて受け止めている。警察、ボランティア、警備や区の職員もだが、多くの人のご尽力のおかげで無事やり過ごせたと感じている」と振り返った。 ハロウィーン当日の31日は、渋谷センター街の路上にいた来街者の推計が最も多かった22時ごろで約1万8000人。コロナ禍前の2019年のピーク時の約4万人からは減少傾向にあるが、昨年の約1万5000人より微増。長谷部区長の目視で「割合的には変わらないが、仮装していた人がちょっと多くなった印象。その大半は外国人になっていたというのは大きく変わった」と言い、仮装した人を撮影する人が集まるなど「少し逆戻りしたところも見受けられた」と続けた。 日々外国人観光客が増えオーバーツーリズム状態となっている中、「分かり切らないが、事前に広報していたので(日本に住んでいる外国人より)観光客の方の方が多い可能性が高いと思っている」と言い、宿泊者が仮装していたかなどホテルからの情報で把握を図りたい考え。 今年は外国人記者クラブで記者発表をするなど情報発信を図ったが、引き続き外国人に対する情報発信が「大きな課題」と言及。「我々には情報発信する術が限られている。できる限り努めていくが、特に海外のメディアの方にも引き続きアプローチをしていく必要がある。都や国にも観光を盛り上げていこうとする政策の中で、ハロウィーンもオーバーツーリズムというステージに来ているので、共同で対応していかなければいけない」とも。 宇田川交番やハチ公前広場(31日のみ)にごみステーションを特設したほか、ボランティアがごみ拾いを行った。集まったごみの量は、昨年28日~30日の3日分=1958.25キロ、今年は24日・25日・30日の3日分=1875.85キロと減少。31日分は集計中だが、ごみステーションの設置などを行った担当者に確認したところ「減少傾向」と言う。 種類の瓶や缶のごみも減っていた印象だと言い、条例で路上飲酒禁止を通年化したことや、10月26日~11月1日(5時)には繁華街を中心としたエリア周辺のコンビニエンスストアや小売店など酒類販売事業者64店舗に酒類販売の自粛を依頼した効果が出た(1店舗のみ販売)。長谷部区長は「飲酒を起因にしたいろいろな事件・事故が過去に起きているので、ハロウィーンに限らず取り組んでいかなければいけない」と言及した。路上飲酒の注意の注意件数は198件だったという。 社会課題化している一方で、表参道のパレードや街の商店街による子ども向けのイベントなども行われている。「ハロウィーン自体が悪いということは全くない。渋谷の周辺に集まって夜通し騒ぐことが良くない。良いハロウィーン(イベント)もたくさんあって、一部マナーを守らない楽しみ方をする人のおかげで、多くの人がつまらない思いや嫌な思いをしていることは考えてほしい」と話す。区民などから爆音者などに対する苦情はあると言うが、「ピーク時より減ってきていると感じている」と言い、ハロウィーン対策については「評価いただいているという風に思う。『何とか自分たちの街を守ってほしい』というような声があったので、引き続き期待に応えるように考えていきたい」と続けた。 来街自粛を呼びかけるフラッグの掲出箇所は増やしたが、委託警備の日数を減らしたことから、対策の予算は施行額は昨年度の約8,800万円から約6,800万円に減少する見込み。 来年については「同様なのか、変化しているものにもう少しどう対応していくのかということが課題感」と話すにとどめた。年末年始も来街者が増えるタイミングとなる。過去には地元商店街や区などが構成する実行委員会が渋谷駅前でイベントを開催していたこともあるが、昨年度に引き続き本年度も中止が決まった。
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