「他人の意見が気になって決断できない人」がやりがちな脳の使い方
不安で憂うつ、イライラ、頑張ってもなぜか空回りばかり――。誰もが忙しい日々を送る中で、「生きづらさ」や「メンタルの悩み」を抱えている人は多いと思います。自身もそんな悩みに長年苦しんできたという枡田智さんは、メンタルが不安定になる原因は「左脳と右脳の使い方」が関係しているとしています。 【脳タイプ診断】人間関係のトラブルの原因がわかる ※本稿は枡田智著『瞑想メソッドで始めるメンタル強化法 もう“左脳”に振り回されない』(大和出版)より、一部を抜粋編集したものです。 ※左脳・右脳の特徴については、ジル・ボルト・テイラー博士の『奇跡の脳』の内容がベースになっています。
「左脳」に束縛された日々を送る現代人
現代社会を生きる私たちは、様々なシーンで「論理的に考えて明確な言葉で説明する」ように求められます。 こうした論理的思考を司るのが、左脳です。言葉を理解して会話や文章を作るのも、未来を予測するのも、左脳の働きです。時間を認識して出来事の前後関係を判断するのも、AとBは一緒、AとCは別というように物事を分類するのも、すべて左脳の働きです。左脳の働きがなければ、私たちは変化する社会の中で生活することが難しくなります。 しかし、思考はあらゆることをよいか悪いか、損か得かで判断し、矛盾や失敗に強く反応します。また、正しさや効率を過剰に追求するという側面があります。 左脳が優位になりすぎると、後悔や心配事が増えたり、必要以上に自分と他人を区別する傾向が強まったり、「他人が思う自分」に思考を巡らせたりして、不安や悲しみ、怒りがわいてくるようになります。物事の正誤や成功・失敗を判断するのも左脳の働きですから、失敗のないようにコントロールしようするほど、不安に駆られて苦しくなっていきます。 一方の右脳は、物事を細かく分けずに全体として処理することが得意で、雰囲気や空気感など、言葉にできない感覚を感じ取ります。言葉では表現しづらい美しさ、感動、美味しさ、安らぎといったフワフワした感覚を処理するのも右脳の役割です。 人間がより良く生きていくためには、左脳・右脳どちらの働きも大切で、本来は自分にとってちょうどいいバランスを保つことが必要ですが、現代はそのバランスが崩れてしまっている人が増えています。