幅寄せNG? 駐禁の“謎ルール”が招く迷惑駐車の実態! 「0.75m空ける」必要は本当にあるのか?
路上駐車の危険性、89%が実感
駐車違反に関するルールは複雑で、特に「0.75m空ける」という規定には意図がある。このルールは、路側帯を通る歩行者が車道に出ることなく通行できるようにとの配慮から来ているようだ。 しかし、実際に駐車車両と道路の端との間に0.75mの隙間があった場合、その幅を通行できるかどうかは疑問だ。例えば、買い物袋などを持っていると通行はさらに難しくなることが多い。その結果、道路の中央寄りに止められた車両の右側を歩く羽目になることも考えられる。 パーク24(東京都品川区)が実施した「路上駐車」に関する意識調査によると、「車を運転していて、路上駐車が原因で危ないと思ったことはありますか?」という質問に対し、 「89%」 が「ある」と回答した。また、警察庁交通局のデータによると、駐車車両に起因する交通事故は1499件発生し、そのうち28人が命を落としている。 これらの結果から、路上駐車が危険な状況を引き起こす可能性が高いことは明らかだ。しかし、全国の道路を駐車禁止にしても、問題の解決にはつながらないだろう。 駐車違反に関する複雑なルールは理解できるが、実際の道路状況に即しているかどうかは疑問が残る。“謎ルール”に従って駐車違反を避けようとするあまり、それが逆に迷惑駐車を引き起こし、最終的に事故を招く可能性もある。 道交法が制定されてから60年以上が経過した現在、道路事情や交通社会は大きく変化している。これにともない、社会に即したルールの見直しが必要だといえるだろう。
喜多崇由(フリーライター)