【RIZIN】鈴木千裕「クレベルの寝技を取り込めたら“絶対王者”のピースが揃う」「暴れ散らかしていたシェイドゥラエフには──」
2024年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN DECADE』第14試合の「RIZINフェザー級(66.0kg)タイトルマッチ」で、クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)に判定3-0で敗れ、王座陥落した鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が試合後、インタビューに答えた。また、4日に自身のYouTubeを更新。試合後会見で語った「ボンサイ柔術への出稽古」の真意を語った。 【写真】クレベルが鈴木を驚かせた下から両足を4の字に束ねてのスイープ 試合後の会見で、「『クレベル、もうあんたのジム行かせて。教えてくれよ、勉強したい』って言ったんで。彼に勝つために、彼に技を教えてもらいます」と、宿敵のジムに出稽古を申し出ていた鈴木。 その約束は、バックステージで取り付けていたという。 「(クレベル)本人に舞台裏で『練習行かせてよ』と言ったら『いいよ、おいで』と。『私はあなたに寝技を教えるから、あなたは打撃を教えてね』と言われて。『ありがとう、じゃあ行くよ』と言って、インスタでメッセージを送ったんです。1発目は僕から送るのでポルトガル語で『お互い怪我が治ったら練習行きます』と。クレベルからも返信が来て『私はあなたに教えます、あなたも私に教えます』みたいな文章が全部ポルトガル語できて。日本語で返ってくるかと思ったら(笑)。ほんとうに自分の父親とのやりとりみたいで。僕の父(ペルー人)はローマ字で送ってくるんで、なんか既視感っていうか、“あれ、なんか俺、今クレベルと連絡してんだっけ”みたいに迷うんスよね。父親と被って」と、10歳年上のクレベルとのメールの交換が、実の父親とかぶったという。 試合では、クレベルの寝技にコントロールされながらも、最終ラウンドに鈴木がガードの中からヒジを打ち込み、クレベルを大流血させた。しかし、そこからもポジションを入れ替えられた。 試合後、「ビックリしましたよ。あれ(髪の毛)染めたっけ? って。初めてですよ、返り血があんなに染まったのは。いい経験です」としながらも、クレベルの柔術に驚きを隠せなかったと吐露する。 「やっぱり安定の寝技が上手いのと、寝技のバリエーションが、うわ、こんな技あるんだ”みたいな。僕が上取った時に、両足束ねられたんですよ。その時に“うわ、こんな技使ってくる人いるんだ”みたいな。足の位置、ポジショニングとか(腕を掴まれての)コントロールとか。ああいうテクニック含め、“これはもう勉強しよう”と思って」と、引き込みからのスイープのバリエーションを含め、寝技の学びが必要だと感じたという。 「クレベルの寝技に僕の打撃が加わったら、クレベルどんだけ強いんだろうなって。その逆もしかりで、僕自身にクレベルの寝技が憑依したら、取り込めたらどうなるんだろうと考えたら、“絶対王者”のピースが揃う気がするんですよね。クレベルがやってる練習内容とその技術を、1年じゃ到底吸収できないですけど、できる限り吸収できるように。(ボンサイ柔術は)クレベルだけじゃないと思うで。サトシ選手だったり、ボンサイのチームがいると思うんで、皆さんに教えてもらえるようにリスペクトと敬意を払って学びに行こうかなと思いますね」と、ボンサイ柔術が自身に足りないピースだとした。 大晦日の大会では、メイン以外にもフェザー級王座にからむ試合が組まれた。 久保優太にTKO勝ちしたラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)について、鈴木は、「暴れ散らかしてましたね。もう言わずも分かりますよ、あのシェイドゥラエフっスよね。すごかったですね。一方的に終わらせた印象。最後、バックポジション取って殴ってる時、シェイドゥラエフの密着が、乗馬みたいにバランス取って殴っているのを見ると、習慣っていうか、日常にああいう格闘技に通ずるものがあるってやっぱ強えなと思いましたね」と、幼少期から乗馬をこなすシェイドゥラエフのバランスの良さに舌を巻いた。 さらに、シェイドゥラエフが標高5,500mの高地で練習していると聞き、「5千ってどのくらいなんですか。高尾山ってどのくらいなんですか。(高尾山は599m、富士山は3,776mと聞き)あっ、じゃあ全然富士山よりも(高いところで暮らしている)そこでトレーニングしてるってすごいっスよね。たぶん(心肺機能が)発達してますよね」と、高地トレーニングにより、赤血球数や血液中の酸素を運ぶ能力が高まることで、有酸素性運動能力や全身持久力が向上していると分析した。 今後、鈴木も前王者として、シェイドゥラエフやダウトベックら中央アジアの強豪とも戦う機会が出て来る。そこでも鈴木は寝技の習得がマストと語る。 「もし僕が彼と戦うとなったときに活路を見出すのは、やっぱ考えますよね。僕はさっきの話に戻りますが、ボンサイに答えがあるかなと。打ち合いを避けられ、テイクダウンに来たときにどう寝技を活かすか。そういうのを考えたりします。 落ち込んでても仕方がないんで、心は切り替わってるんで、まず傷を癒して、ちょっと皆さんと決起会をやって、ボンサイを僕の体にぶち込んで生まれ変わった俺を見せるんで今年もよろしくお願いします、鈴木千裕、頑張ります」と、最後は前を向いた稲妻ボーイ。 YouTubeでは、そのシェイドゥラエフと対戦した久保陣営のタオル投入の是非を「僕的にはセコンドが(タオルを)投げるべきだったと思いますね」とし、その理由も語っているため、鈴木の格闘技観を知ることができる内容となっている。 果たして、2025年、鈴木千裕はマット上でいくつの稲妻を落とせるか。
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