最終戦前に“マスターズ王者のメンタル”注入 尾関彩美悠がギャラリーとして得た学び「私が悔しがっていたら…」
<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 事前情報◇19日◇宮崎カントリークラブ◇6497ヤード・パー72> キンピカの“黄金パター”をリコー会場で発見!【写真】 21歳の尾関彩美悠が初優勝を挙げた2022年以来、2年ぶりにエリートフィールドへ帰ってきた。今季は優勝こそなかったもののメルセデス・ランキング15位になり、これが2回目の出場。そんな大舞台へ、世界トッププレーヤーのイメージを持ち込む。 先週の「大王製紙エリエールレディスオープン」は予選落ち。しかし、それによる収穫もあった。少し早めに宮崎入りすると「松山さん(松山英樹)のプレーが見られることは滅多にないので」と同じ週にフェニックスCC(宮崎県)で行われていた国内男子ツアーの「ダンロップフェニックス」最終日の会場に、ギャラリーとして足を運んだ。 そして18ホールをついて歩くなかで、米ツアー通算10勝、今年の「パリ五輪」で銅メダルを獲得した松山英樹に圧倒された。「ショットとかは違いすぎるので、参考というよりは、普通にギャラリーとして見ていまいた。優勝争い中のマネジメントや、アプローチ、パターとか、あとは気持ちの切り替え方、そういうのがどういう感じなんだろうっていうのを遠くから見て、すごく勉強になりました」。得たものは大きい。 特に印象に残っているのは、メンタルコントロールだった。「バーディチャンスなのに、パターですごく悔しがっていた部分があって」。松山が最終日にパーオンできなかったのは、唯一のボギーとなった10番のみ。「けっこう惜しいパットが続いてても、次のショットに全然影響してないというのは、さすがでした。気持ちの切り替え方って言うんですかね、そういうのがすごいなって思いました」と感銘を受けた。 そんな世界のトッププレーヤーの姿を頭に焼きつけて今大会を戦う。「悔しい場面もあるんですけど、松山さんの気持ちの切り替え方とかを見て、『松山さんがそうなのに私が悔しがっていたら…』と思ったら、すぐに気持ちが切り替えられそう。ボギーを打っても次のショットでバーディを獲るぐらいの気持ち。すごく勉強になったので、今週、生かせたらいいなと思います」。“マスターズをも制したメンタル”を参考に、今季初優勝を狙っていく。 「今年の目標の1つがリコーに出ることでした。また出られたというのは、自分にとってはすごくうれしいこと。最終戦なので、一打一打悔いのないように、最後の最後まで精一杯頑張りたいなと思います」。泣いても笑ってもシーズン最後の大会。何があっても常に前向きに、カップを狙っていく。(文・高木彩音)