【大河ドラマで注目】紫式部の天才的頭脳を支えた「食材」とは 現代にも活かせる平安時代の食生活
これを煮豆や「末女豆岐(まめつき)」にして食べています。現在の「きな粉」のことで、ご飯にかけたり、お菓子の材料にして楽しんでいます。 スーパー情報化時代といわれる現代でも、時代の成功者となるためのブレーンフードとして、注目されているのがこの大豆。大豆には、長寿にも作用する栄養成分が豊富に含まれています。いくつになっても、若々しくて、しなやかな発想力や記憶力などを維持する方法として、このところ脚光を浴びているのがブレーンフードなのです。
煮豆ときな粉には、 頭脳力向上効果のレシチンがたっぷり
頭の機能を向上させる上で効果的な栄養成分が、だんだんわかってきました。そのひとつが、コリンという成分。大豆に多いレシチンに含まれている健脳成分で、大豆を食べると、レシチンは体内でコリンに分解され、記憶や創作能力と関係の深い、神経伝達物質の「アセチルコリン」が合成されます。 アセチルコリンが不足すると、脳の働きもうまくいかなくなり、脳の老化が進んで、物覚えも悪くなります。紫式部のような作家にとって、コリンがいかに大切かが理解できます。 コリンと並んで、大切な健脳成分が、ビタミンB群の仲間である葉酸で、これも大豆には豊富に含まれています。血液中の葉酸値が低い人の場合、急激に入ってくる新しい情報を記憶してインプットしておくことが難しいといわれ、この成分も作家にとっては欠かせません。葉酸は、記憶力を一生にわたって、健全に機能させるために、コリンと共に摂取したい重要な栄養素なのです。 作家というのは、脳にストックした情報や資料などを参考にしながら、ストーリーを組み立てていくわけで、言ってみれば、インプットしたさまざまな情報をアウトプットしながら書き進めていく仕事です。したがって、紫式部のような作家は、何よりも記憶力が、非常に卓越しています。それを支えていたのが、イワシのDHAやEPA、それに大豆のコリンや葉酸、タンパク質などでした。 これらの食物を日常的にとることによって、創作能力をフルに発揮し、継続することが可能になったのではないでしょうか。脳が必要とする栄養成分を上手に摂ることによって、才能がさらに向上したのです。 本文は『紫式部ごはんで若返る 平安時代の食事は健康長寿食』(現代書林)より一部抜粋・編集しています。 画像提供:Adobe Stock