バスケ男子日本代表の八村塁がついに合流、彼が示すリーダーの自覚「年齢が上の方になったので、年下の選手に影響を与えられたら」
「オリンピックの舞台に戻れることは光栄ですし、楽しんで思い切ってやっていきたい」
6月29日、強化合宿中のバスケットボール男子日本代表が公開練習を実施。東京オリンピック以来となる代表合流を果たした八村塁が会見に登場した。 まず八村は久しぶりの代表活動への喜び、懐かしさを語った。「今回、代表に3年、4年ぶりに帰ってこられてすごくうれしいです。ナショナルトレーニングセンターも久しぶりです。富樫(勇樹)君とか(渡邊)雄太さん、(馬場)雄大さんといったこれまで一緒にやっていたメンバーとまた会えたこと、新しいメンバーとやれることを楽しみにしています」 昨夏のワールドカップは、NBAのシーズンに向けた準備を優先する形で欠場した八村だが、代表の戦いはずっと見ていたという。「去年のワールドカップは出られなかったですが、ずっと試合を見ていて、オリンピックが決まって僕もうれしかったです。こうやってまたオリンピックの舞台に戻れることは光栄ですし、楽しんで思い切ってやっていきたいです」 そして、今回の代表復帰にあたってはトム・ホーバスヘッドコーチ、東野智弥技術委員長と綿密なコミュニケーションを取りながら準備を進めていたと明かす。「(NBAの)シーズンが終わった後、東野さん、ホーバス監督がLAに来て、何回か会いました。そこでのミーティングで、これからの予定、どういうふうにやっていくのかを決めました。今、こうして日本に帰ってチームに合流できてよかったです」 当然だが、東京オリンピック以来の代表活動のため、ホーバス体制でプレーするのは初めてだ。パリ五輪まで約1カ月と限られた時間しかないが、代表のスタイルは自身の持ち味を生かしやすいと好感触だ。「コーチと何回か話をする中で、速攻やオフェンスのところなど僕のスタイルに合うバスケです。オールラウンダーのプレーが発揮しやすい感じになっているので、僕としても楽しみです」 また、富永啓生、河村勇輝など自身より若い選手たちが代表に入ってきていることで、「こうやって若い選手が増えて、昔は僕が一番年下だったのが、上の方になってきました。そういう中で、年下の選手に影響を与えられたらと思いますし、チームとして上がっていくことが楽しみです」と、リーダーシップも意識している。 そしてパリ五輪で目標の決勝トーナメント進出へ向け、「1試合目のドイツ戦が一番大事だと思います」と意気込んだ。この会見で八村は何度も「楽しみです」と語ったが、この思いは彼だけでなく、すべてのバスケットボールファンに共通している。
鈴木栄一