【日本株週間展望】上値重い、米物価指標や日銀短観注視-SQ波乱も
(ブルームバーグ): 12月第2週(9-13日)の日本株は上値の重い展開が見込まれる。国内外で重要な経済指標の発表が予定され、米国で利下げ観測が後退したり、国内で企業の景況感が悪化したりすれば投資家心理が冷え込み、相場の押し下げ要因になりかねない。
米金融政策に大きな影響を与える物価指標が11日に発表予定だ。変動の大きい食品とエネルギーを除く11月のコア消費者物価指数(CPI)は、市場予想で前月比0.3%の上昇とインフレ抑制には引き続き時間がかかるとみられている。10月の上昇率は0.3%と3カ月連続で堅調な伸びとなっていた。
国内では日本銀行が13日に企業短期経済観測調査(短観)を公表する。中国経済の低迷などを背景に、7-9月期の企業決算では予想外に低調な内容が相次いだ。業績の先行きを占う上で市場関係者は大企業製造業の景況感を注視している。市場予想によると、大企業製造業の業況判断指数(DI)で先行きは12と前回調査の14から下振れが見込まれており、相場の重しとなりそうだ。
需給面で相場が急変する可能性もある。13日は株価指数先物・オプション12月限の特別清算値(メジャーSQ)算出で、先物の需給に振らされやすい展開となりそうだ。第1週の東証株価指数(TOPIX)は週間で1.7%高と4週ぶりに反発した。
《市場関係者の見方》
大和証券の阿部健児チーフストラテジスト
日銀短観や米CPIなど市場への影響が大きいデータを見て動く週となる。市場は米国の利下げを見込み、物価指標が予想以上のインフレを示せば日本株にもネガティブな影響があろう。企業業績に減速感が見られる中、日銀短観でも業況の弱さが表れれば相場の重しとなりやすい。ただ、割安感の修正といった観点で日本株には上昇余地があり、日経平均株価で3万9000円台半ばまで上昇する可能性はある。
岡三証券の内山大輔シニアストラテジスト
日本株は日銀会合を翌週に控えて小動きの展開だろう。米CPIには注目が集まるが、大きく相場を動かすことはなさそうだ。日本独自の材料としては、週末にSQがあるため、先物市場が需給主導で上昇するシナリオはある。