そこに色はあるのか? 「色の終わり」が見えない美グラデブラッシュが「買い」の理由【スック】
チークは「ちょっとピンぼけ」が美しい。色の主張ではなく、「余韻」を楽しむための、ぼかしが重要。持論です。それを体現できる失敗知らずチークと出会いました。もう別離できない。 【写真】エディターが推す、スックの秋新作を見る
ぼかしやすいのに、密着する余韻カラー。このほんわり感が「買い」だ
絶対の推しが03番。名前を夕波と言います。名前のとおり、水面のマジックアワーをパレットに閉じ込めたような色。右上のほんのりきらめくオークルベージュのハイライトは、左下のピーチベージュのチークに向かって繊細な濃淡を描きます。 パレットを眺めるだけでも眼福だけれど、パレットを斜め対角線にブラシにひとなぞりして色を取り、頬のアップル部分を丸く磨いて、思わず二度見。色がついてないようで、かすかにある。どんな日でもしっくりくる。こなれ感がやってくる。圧倒的な万能性! 発色を重視するならバームやリキッドが便利。でも、「ぼけあし」が難しい。いかに自然に色をフェードアウトさせるか? 「色の終わり」が目に見えたときのガッカリ感といったらないですよね。さらには色の濃度の緩急をどう配置するのか? それって、高度なテクニックを要しますよね。 顔面の余白を埋めるのがチークの役割のひとつだけれど、そもそも安易に色に走るのはいかがなものか? そこにあるけれど、ない。そのくらいの「余韻」や「気配」を演出するほうが素敵。余裕を感じます。 となるとパウダーがやはり優秀。シームレスなグラデーションは、やっぱり粉がいちばん近道。そこでスックは考えました。肌の上で繊細に粉体をほぐすためには、オイルの含有率が鍵。ならばそのオイルを減らしてしまおうと。従来品の4割もカットしたオイリーレス処方を採用。粉が互いにくっつき合わずにハラハラと離れてゆくので、風のような「ほんわり」が実現したんです。 風のよう。そう聞くと、粉飛びを心配しますよね? 飛びません。理由は、球状と板状粉体のブレンド設計。球状が軽やかに広がるのに対し、自由奔放なそれらをしっかりとキャッチするのが板状球体。だから肌にステイして、ぼけあしがナチュラルなんですよ。「色の終わり」が見えない。どんなに手早く塗っても見えないんです。