就職難で「自衛隊に入ろう」と考えていた…稲盛和夫が44年間で悟った「成功するために必要なたった一つのこと」
■「地味な一歩一歩の積み上げ」を44年間続けてきた その私が44年間、ただ一つのことについて、誰にも負けない努力を44年間続けたから、現在の私がいるのです。もともと偉かったからではありません。 人生とはたいへん不思議なものです。「継続は力なり」と言っても、誰も信じません。 けれども、普通の人が「こんなバカげたことを毎日やっておったのでは、私の人生はダメになるのではなかろうか」と思うようなこと、そのような毎日の地味な仕事を44年間続けた結果が、今日の京セラをつくったのです。 一日一日の努力というものは、大して大きな成果に結びつくような努力ではないかもしれません。しかし、その努力が44年間分、集積したものはたいへん立派な成果につながるのです。 つまり、どんな偉大なことも地味な一歩一歩の積み上げでしかないのです。ジェット機のように目的地まで一気に到達できるような、そういう便利なものは人生にはありません。 ■便利に手に入れた「成功」は長続きしない もちろん、大きな宝クジに当たるなど、たいへんな幸運に恵まれてうまくいくケースはあります。ジェット機に乗ったかのような人生もあるのかもしれません。 しかしそれは、決して長続きするものではありません。一時的には成功するかもしれませんが、必ず没落していきます。人生というものは、この五体でもって一歩一歩、地味に歩んでいく以外にはないのです。 問題は、44年間という非常に長い期間をかけて、それを一心不乱にやれるかやれないかということです。そこで差がつくのです。 伊藤社長は、私が前にいた会社に、私の研究助手として入ってきました。それからずっと、私はたいへんな苦労を伊藤社長にさせましたけれども、伊藤社長はめげずに努力してきました。途中で逃げ出そうとしたことも1回か2回はありますが、それでもがんばってがんばって、本当にがんばってこられて、今日の伊藤社長があるわけです。