佐々木朗希はメジャーで活躍できるか? MVP捕手が語る不安材料…「向こうはたくさんいる」
今だとメジャーに「通用するのかなぁ…」“力で抑える”感覚捨て目指したい球質向上
佐々木は今年のキャンプ直前、契約更改を終えた記者会見で「将来的にメジャーでプレーしたい」と意思を公表。球団は今回、ポスティングを容認した。中尾氏は「行きたい気持ちはわかりますけど。やっぱり、もうちょっと実績を残して行って欲しかった。行く時は、米国でポンとすぐ成績を残せるような力を付けて。今の球だと通用するのかなぁ……。あれぐらいのスピードのピッチャー、向こうはたくさんいるからね」。 中尾氏は佐々木がより進化、さらにはメジャーで飛躍するには球質の向上が必要という。「みんな球速をすごい意識をしますが、球離れの早い155キロより球持ちのいい指にかかった150キロ弱の方が打者は打ちにくい。初速と終速の差が少ないピッチャーなのかどうか、なんです」と強調する。 そのためには「いいフォームにならないといけない」と説く。「今が悪いわけではないけれど、まだ力で抑えようとすると球離れが早くなっている。体の軸で投げられるか、どうか。上体じゃなくて、下半身からの回転で軸が回れば腕というのは振れるんです。力で行くと、下よりも上が先に行く。そりゃボールは速くなるかもしれないが、バッターからは見やすくて打ちやすくなる。“力で抑える”感覚を捨てる。そうなれば、長くプレーもできるはずです」。 さらに中尾氏は「メジャーに今行っても通用するかもしれないけどね。行ってみないとわからない」と揺れ動く。高校の監督時代に激突した当時の佐々木は「ボールは本当に速かったですよ」と特別な存在だ。「朗希のことはずっと気に掛かりますよ」と親のような気持ちで見守っている。
西村大輔 / Taisuke Nishimura