サッカー・J1サガン鳥栖のMF藤田直之選手が引退…盛衰見た生え抜きベテラン、指導者の夢に「わくわく」
サッカー・J1サガン鳥栖のMF藤田直之選手(37)が、今季限りで引退した。8日に本拠地で行われたジュビロ磐田とのリーグ最終戦では、代名詞のロングスローを披露してスタンドを沸かせ、指導者として鳥栖に戻る夢を語った。 【写真】今季最終戦で途中出場した藤田選手
福岡県出身。福岡大から2010年に当時J2だった鳥栖に加入すると、正確なキックも武器に、1年目から出場機会をつかみ、11年は主力としてJ1昇格に貢献した。16年にヴィッセル神戸へ移籍。セレッソ大阪を経て22年に7年ぶりに古巣に戻り、主将としてチームを引っ張った。
8日の試合では、3点リードの後半途中にピッチに立ち、堅い守備とパスさばきを見せた。得意のロングスローを繰り出すと、場内が一気に盛り上がった。
生え抜きとしてチームを支えてきたが、降格の苦杯をなめた今季は「力になれない自分に失望した」。来季以降は、選手として戦うより「指導者となってチームを勝たせる絵の方が浮かんだ」という。
「何年後になるか分からないが、自分がこのチームの監督として戦っている姿を想像して、わくわくした」。計9シーズンにわたって鳥栖の盛衰を見つめてきたベテランは、新たな道を歩みながら、育ててくれたクラブへの恩を返すつもりだ。(緒方裕明)