ジムに巨大スクリーン設置、バーチャル背景の配信も人気 テクノロジーで進化するフィットネス〝最新事情〟
リアルと効果的な組み合わせ
現在は堅調に新規購入者を増やしながら、医療機関やジムなどの施設への導入を進めていると言います。特に後者については、「従来型のジムにトレッドミルなど既視感のある有酸素マシン以外の選択肢を提示することで、従来型のジムとも共存共栄できる」(同社担当者)とみます。 このオンライン化でも、同社のサービスは独自進化を始めています。例えば、24年9月は全部で10回、10月は20回予定と、盛んに開催されるライブレッスンは、バーチャル背景に対応し、映像店舗で流れている映像と同じものが流れるようになり、コンテンツがリッチ化されたことがユーザーから好評を博しています。 FEELCYCLEの人気インストラクターの魅力でFEEL ANYWHEREを利用する人も多く、逆にFEEL ANYWHEREで気になったインストラクターのレッスンをスタジオで受講する人もいます。前述のLUSTERイベントの同時配信や見逃し配信を無料で行うなど、リアルとの効果的な組み合わせは、同社の強みだといえるでしょう。 9月からは、これまでスタジオ同様の45分の所要時間だったオンデマンドレッスンを、30分、20分、15分、10分に編集したショートバージョンのプログラムを配信。ユーザーの「仕事や子育ての合間の隙間時間に運動したい」といったニーズに応える、としています。 このように、海外から持ち込まれたフィットネス文化が、国内で独自に進化。コロナ禍でフィットネス業界が苦境を迎える中、約20万人の会員を擁し、1万円以上のチケットで1万人を動員するイベントを開催、オンラインでもリアルとの効果的な循環を生み出しているというのは、世界的にも稀有な事例だと言えるでしょう。