大躍進の国民民主党・玉木代表のルーツ 同級生「中庭で彼女にラブソングを歌う変わり者」「できないことは不正だけ」
今回の衆院選で、議席数7から28に躍進した国民民主党だが、代表の玉木雄一郎氏とは、一体どんな人物なのか。 【映像】学生時代の玉木雄一郎氏(写真あり) 実は若者には、かなり前から浸透していた。YouTubeでは2018年7月に「たまきチャンネル」を開設したほか、最近では「AIゆういちろう」を作成。自慢の歌を披露するなど、SNSで若者層をつかんできた。 一方で、あまり若者たちには「政党の成り立ち」が伝わっていない。立憲民主党も国民民主党も、今回の衆院選での略称は「民主党」だった。政治ジャーナリストの青山和弘氏は、「国民と立憲は完全に近親憎悪。『絶対にお前だけは許さない』という離婚した夫婦のような関係だ」と指摘する。 国民民主党は、政策として「5%に消費減税」「所得減税」「基礎控除等を103万円から178万円に拡大」「ガソリン税負担の軽減」「保育園・幼稚園から高校までの教育無償化」などを掲げ、憲法改正には「積極的」で、自衛隊を明確に戦力・軍隊と位置づける。原発は再稼働・新増設を容認し、選択的夫婦別姓に賛成する。 では玉木代表は、どのような人物像か。香川県立高松高校の同級生である「手打ちうどん ひさ枝」の久枝了氏は、「とにかくちょっと変わっている」と振り返る。「ギターで曲を作って、彼女向けに中庭でラブソングを平気で歌う。頭はずば抜けていい。大学時代には十種競技をやっていて、超人的なものがある。できないのは不正や悪いことぐらいだ」。 玉木氏は東大法学部から旧大蔵省へ入った。久枝氏は「自民の重鎮が辞めていたら自民から出たが、辞めないから違うところ(民主党)から出た。考えも動きも、全部自民党だ」と評する。目標とするのは、同郷の大平正芳元総理だった。 2009年に民主党から初当選し、政権交代で一気に、政権与党の一員となった。2016年、民主党に維新の党などが合流し、民進党が誕生。玉木氏は代表選に挑むも、蓮舫氏に敗れて、幹事長代理に就任する。 しかし2017年10月、小池百合子氏が代表だった「希望の党」に、民進党が事実上合流し、小池氏が「民進党のリベラル系議員たちは合流させない」との方針を示したことで、枝野幸男氏が立憲民主党を発足させた。 玉木氏は希望の党に残るも、党は大敗し、野党第1党は立憲民主党になった。小池氏が代表を辞任し、玉木氏が新代表となる。そして2018年5月、民進党と希望の党が再合流して、国民民主党が結成。玉木氏は「対決より解決」を掲げ、5年以内の政権交代を目標とした。 久枝氏は「文化祭の実行委員長をやったとき、パンフレットのスローガンが“アウフヘーベン”。なんでドイツ語なのか。気取っているなと思い調べると、『物事の矛盾や対立をより高次な段階で統一すること』と書いてあった。昔から変わっていない」と語る。 2019年には小沢一郎氏の自由党が国民民主党に合流。2020年には立憲民主党と国民民主党の合流構想が出たが、「吸収合併」を望む立憲に対して、玉木氏は「対等合併しかしない」として、最終的には分党を主張した。 青山氏は「玉木氏の優秀さは誰もが認めるところだが、永田町でよく聞く評価は“自分が目立っていないと嫌な人”。大きい政党で埋もれるより、小さい政党でもトップでいる方がよかったのでは」と語る。 久枝氏は「毎年の同窓会では、必ず締めに玉木にしゃべらせる」という。「何歳で大臣になるのか」と毎回質問し、必ず玉木氏は「55歳で大臣。58歳で総理大臣になる」と答えるという。玉木氏は現在55歳だ。 玉木氏は著書『令和ニッポン改造論 選挙に不利でも言いたいマニフェスト』で、次のように語っていた。「一つにまとまるコツは、『ケンカをしても、何事もなかったように、また明日から普通に暮らすこと』だと思っています。言い換えると、『建設的いい加減さ』です。悔しいのですが、自民党にはこれがあります」。 一方で、法政大学大学院社会学部の白鳥浩教授は、「国民民主党のあり方が、日本政治を非常に不安定にする可能性がある。(首相指名選挙で)無効票になる“玉木雄一郎”と書くことによって、自民党政権の延命に力を貸したと評価されると、次回の選挙では、自民党と一緒にしっぺ返しを食らう」との見方を示した。 (『ABEMA的ニュースショー』より)
ABEMA TIMES編集部