ドラマでは警察と協力、実際は「一緒に捜査しません」…解剖医が語る意外な実態
解剖医の業務を伝える公開講座が、神戸市中央区の兵庫医科大神戸キャンパスで開かれた。年間約200体の遺体を解剖している同大学法医学教室の西尾元・主任教授が講師を務め、約90人が聞き入った。
ドラマでは解剖医が警察と協力して事件を解決するシーンが描かれるが、西尾教授は「実際は一緒に捜査を行うことはない」と説明。同教室では犯罪によって死亡した人の解剖は年に数件で、多くは死因のわからない遺体でそのうち約半数が一人暮らしだといい、「自分が亡くなったときに解剖されないためには、社会との接点を作っておくことが重要だ」と呼びかけた。
受講した同市東灘区の団体職員の男性(62)は「事件にかかわる遺体の扱いが少ないのは意外だった。家族を含めて孤独死に気をつけたい」と話していた。