健康や美容のカギ「腸内フローラ」って何?良い状態に保つには?管理栄養士が解説します
「腸内フローラ」という言葉を聞いたことはありますか? 「腸活」を単に便秘対策ととらえる人も多いですが、腸の健康を保つことは、美容や健康に大きな関係があります。そのための重要なキーワードである「腸内フローラ」とは何?というところから、腸内細菌を良い状態に保つための食生活などについて、管理栄養士の宮崎 奈津季さんにじっくり解説してもらいました。 【画像4枚】善玉菌を増やす働きのある「プレバイオティクス」が多く含まれている食材例を見る!
そもそも腸内フローラってなに?
こんにちは、管理栄養士の宮﨑奈津季です。 「腸内フローラ」という言葉を聞いたことはありますか? 今回は、私たちの腸の中に存在するたくさんの菌が、毎日どんな働きをしているのか、健康な腸を作るためにどんな食生活をしたらよいのか、などについてお伝えします。 ♦️腸の中には約100兆個の腸内細菌が! 人間の腸には大腸と小腸があり、それぞれ異なる働きを持っています。小腸は、胃や十二指腸で消化されたものをさらに分解し栄養素を吸収します。そして吸収されなかったものを大腸に運びます。大腸は、水分やミネラルを吸収し、固形の便にして肛門に運ぶ働きをしている消化器官です。 主に大腸には約1,000種類、約100兆個の腸内細菌が生息しており、菌種ごとに腸の壁に隙間なくびっしり張り付いています。その様子が花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。 ♦️腸内細菌は大きく3種類に分かれる 腸内フローラを構成する菌は、大きく分けて善玉菌・悪玉菌・そのどちらでもない中間の菌(日和見菌)の3種類に分類されます。日和見菌は、善玉菌か悪玉菌どちらか優勢なほうに味方して働きます。 代表的な菌種として、善玉菌にはビフィズス菌、悪玉菌には病原性大腸菌や黄色ブドウ球菌、日和見菌にはバクテロイデスや連鎖球菌などがあります。 ♦️腸内細菌の理想的バランスは? 腸内細菌の種類は人種や食事、生活習慣、個人によっても異なります。菌の数は年齢によって増減しますが、その種類自体はほとんど変わらないとされています。理想的なバランスは、日和見菌7割、善玉菌2割、悪玉菌1割といわれており、悪玉菌が増えると、お腹の不調などの症状が出やすくなります。