覚悟を決めて強化試合で結果を残した女子日本代表の東藤なな子、3年前からの成長「今は金メダルを取りに行く一員」
「出ている5人全員が同じ台本の上で自然にできている」
第2戦はオフボールでの動きも目を見張るものがあった。一瞬の隙を突いて相手の視界から消え、スペースに飛び込む。結果的にパスは来なかったが、この動きがハーフコートオフェンスの流動性を生む。東藤もオフボールムーブに関しては大事な役割の一つだととらえている。 「オンボールでの停滞が多い時はオフボールで崩していこうと思っていて、今日はそれができたました。合わせていく中でもう少しパスが回ってきたらいいなと思いますが、自分が動くことで他の人がノーマークになることもあるので、オフボールムーブはこれからも大事にしていきたいです」 そして、こうしたオフボールムーブを含め、連携の高まりを実感している。「この人はこのタイミングで1対1に行きたいだろうなとか、ここでスクリーンをかけてくれる、ここでスクリーンをもらいたいだろうみたいなのは、やっていく中で無意識にできていると思います。出ている5人全員が同じ台本の上で自然にできているというのは、恩塚さんの戦術の理解をより深めたこともあると思います」 恩塚ヘッドコーチは第1戦を終えた後の会見で「彼女はボールプレッシャーのところやギャップディフェンスも本当に素晴らしいです。危ないところを探してくれるし、そういうところでチームを助けてくれている」と評価した。 内定メンバーを勝ち取った安心感が東藤に積極性をもたらし、その積極性が自身を新たな境地へと向かわせた。パリ五輪まであとわずかという状況で、東藤の進化が止まらない。
丸山素行