NewJeansとaespa、いま最も勢いのあるK-POPガールズグループを徹底比較!
温かく懐かしい vs 鋭く強烈
音楽性は両グループの最大の違いであり、その音楽性の違いが他のすべての違いの根幹となっている。NewJeansの音楽は、爽やかなデビュー曲「Attention」から韓国大衆音楽賞「今年の歌」に輝いた「Ditto」、そして日本進出直前に発表した「How Sweet」まで、ほとんどが気軽に聴けるイージーリスニング系だ。ジャージークラブなど最新のジャンルを基盤に、懐かしいレトロ感性のメロディと叙情的な歌詞を調和させ、幅広い世代が共感して楽しめるNewJeansならではの音楽を披露している。ステージ上でも明るく自然な姿を見せ、衣装もウェアラブルなスタイリングを追求している。 一方、aespaはデビュー曲「Black Mamba」から代表曲「Next Level」、そして最近、韓国国内外のチャートを席巻した「Supernova」まで、強烈なシンセサイザーサウンド、強いベース、独特のリズム、パワフルなラップといった特徴的な音楽性を持っている。韓国では、ポップな傾向の流行とは対照的である、この独特な音楽性を説明するため、金属のような味が感じられる音楽という意味で「鉄味(쇠맛・スェマッ)」という新語まで生まれた。さらに、仮想現実「KWANGYA(クァンヤ)」と現実を結ぶ「SMCU(SM Culture Universe)※」の世界観を込めたユニークな歌詞が音楽の味わいを深めている。ステージでもその世界観に合わせたダンスとカリスマ的なパフォーマンスを披露し、独自の領域を確立している。 ※SMCU(SM Culture Universe):現実世界と仮想世界の境界を超えて全世界が文化で繋がるという、SMエンターテインメントが提唱する未来のエンターテイメント、メタバース向けコンテンツ。
レトロトピア vs レトロフューチャリズム
5人の少女たちの純粋な笑顔と温かい音楽は、私たちをどこか懐かしい場所へ連れて行く。実際、NewJeansのメンバー全員が2004年以降生まれたことを考えると、彼女たちが1980~90年代のアナログ時代やY2Kを経験したわけはない。NewJeansが連れて行く場所は、1980~2000年代が混在する架空の「懐かしいどこか」だ。専用コミュニケーションアプリ「Phoning」のデザインはY2Kそのものであり、「Ditto」のミュージックビデオは1998年という設定でアナログカムコーダーを使用し、その時代感覚を表す。このように、NewJeansは誰もが懐かしむような「レトロトピア(レトロ+ユートピア)」を創り出し、架空の過去への懐かしさを感じさせる。 一方、aespaは完全に未来的なビジュアルを披露する。しかし、その未来というのも実際の未来ではない。むしろ1980~90年代のSF映画などで想像され、描かれた「過去の未来」、すなわち「レトロフューチャリズム」に近い。「鉄味」の音楽性はデジタル空間を背景にしたサイバーパンクスタイルの「Black Mamba」や「Next Level」のミュージックビデオのビジュアルと完璧に調和し、インダストリアルなロケーションに大量のCGIを投下して完成した「Armageddon(アルマゲドン)」に至っては、その頂点に達する。また、これらすべてのコンテンツは「SMCU」という緻密に設定された仮想の世界観の中で展開されるということも独特だ。