倉敷工のエース高山 気持ち乱れた「思わぬ落とし穴」 センバツ
第94回選抜高校野球大会は第1日の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、13年ぶり出場の倉敷工(岡山)は2―8で和歌山東に敗れた。倉敷工のエース右腕・高山侑大(ゆうと、3年)は力投を続けたが、最後に力尽きた。 味方打線の奮起を待ち、一球一球、気持ちを込めて粘投を続けた。走者を背負っても冷静さを心がけ、直球にスライダー、カーブなど変化球を有効に使い、要所を締めて1失点投球を続けた。 だが、1―1で迎えた延長十回に思わぬところで強い気持ちが乱れた。打者として1死一塁から四球を選んで出塁したが、次打者の右飛でアウトカウントを間違えて飛び出してしまい、帰塁できずにアウト。反撃の流れを止めてしまった。直後の十一回もマウンドに上がったが「気持ちが切り替えられなかった」。先頭打者から3連打を許し、四球や守備の乱れも絡んで大量失点して力尽きた。 「攻めて攻めて攻めたぎる」をテーマに掲げ、昨秋の公式戦でチーム打率4割近くを誇った打撃のチームを下支えしてきた。昨秋の中国大会でスタミナ不足が課題となり、冬場にジムに通ってウエートトレーニングに励んだ。筋肉量が増え、下半身をしっかり使って投げられるようになった。 甲子園で投げたのは171球。「投げている時は疲れは感じなかった」と集中できたのは成長だが、終盤は球威も落ちた。「エースが投げたら試合は勝たないといけない。粘り切れなかった」。初の聖地で味わった悔しさだった。【円谷美晶】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。