ドラマ『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりの演技をみて確信…2025年のNHK朝ドラ『ばけばけ』ヒロインに抜擢された「納得の理由」
コンプラと秩序を重視
かなりシステマチックな組織らしく、暗殺相手に近づくための脚本が用意されたりする。そのための脚本係や、いろんな準備の係も存在する。 毛染めNGなので、と断られた脚本家が、ええっ、それ先に言っておいてよ、と頭を抱えてるシーンもあった。それから夜を徹して設定を変えて、描き直していた。 コンプライアンス委員会もある。 チームで合宿して仕事準備をしていたとき、失敗に怒った上司が部下をさんざん怒鳴りつけてしまい、部下はいまのはコンプラ的に問題だとおもうので上に報告させてもらいます、と通報したら、すぐさま「殺し屋協会ハラスメント防止委員会」から指導員が2人やってきたのだ。ホワイトボードを前に、男女二人組の指導員にこんこんと説教されていた。人を殺す仕事をやっていても、組織内の秩序は保たれないといけないらしい。そのへんがすごい。 けっこうリアルなところでは清掃係がいて、つまりは死体処理業者で、ドラマでは水石亜飛夢と中井友望が演じている。 殺し屋たちが、ぱんぱんぱんと、乾いた音で拳銃で次々と人を殺すと、そのあとやってきて、死体の処理や現場の汚れなどを片付けている。たしかに殺しっぱなしで死体が5つも6つも転がったままだと大騒ぎになるんじゃないかと最初は心配してしまうが、どうやらこういう現実的な処理がおこなわれているらしい。 映画はアクションシーンが見ものである。 主演の二人のうち髙石あかりはわりとふつうっぽい女の子役で、伊澤彩織が演じるのは人付き合いが苦手な無器用な女子で、でも圧倒的に格闘が強い。伊澤彩織のアクションはすごい。痛快な動きの連続で、ちょっと目が離せない。伊澤彩織じしんがスタントマンもこなす本格的なアクション俳優である。 『ベイビーわるきゅーれ』はドラマでも同様だが、至近距離で撃ち合いをしても当たらないというのが見所で、こういうトリッキーなアクションは見ていて楽しい。 ただまあ、私はカーアクションでも格闘でも、映画でのアクションシーンは一種の「ダレ場」だと認識してしまう癖がついていて、つまり緊張して見るシーンではなくて、終わる時間までは逆に気をぬいていてもいいとおもってぼんやり見ていることが多いのだ。申し訳ないとおもうが、格闘に何も興味が持てないので、雪原を延々と列車が走っているシーンを見てるような心持ちで眺めている。見事だなとおもいつつ、時間経過を待っている。申し訳ない。