元県警巡査長が「処理に疑問」と情報漏らしたコロナ施設強制性交疑い 鹿児島検察審査会が「不起訴相当」と議決、刑事手続きは終了
新型コロナウイルス宿泊療養施設で女性に同意なく性的行為をしたとして、鹿児島県医師会元職員の男性が強制性交容疑で書類送検された事件を巡り、不起訴とした鹿児島地検の処分を不服とする女性側の申し立てについて、鹿児島検察審査会は8日までに不起訴相当と議決した。3日付。 検審は議決理由として「不起訴処分記録や申立書などを精査し、慎重に審査した結果、裁定を覆すに至らなかった」と公表した。強制起訴の可能性はなくなり、刑事手続きは終了した。 申立書などによると、女性は2021年9月、同施設などで複数回、性的暴行を受けたとしている。22年1月、鹿児島中央署に告訴状を持参したが「事件にならない」として諦めるよう説得されたと指摘。地検でも丁寧な聴取はなく、捜査手続きに重大な問題があるなどと主張していた。 告訴状が受理された後、男性は23年6月に書類送検され、同年12月22日付で地検は嫌疑不十分で不起訴とした。女性側は再捜査や起訴を求め、今年1月31日付で検審に申し立てていた。
南日本新聞の取材に、女性代理人の弁護士は「再捜査せず、刑事裁判の手続きを経る機会さえ与えられなかったことに深い失望と憤りを覚える」と批判した。男性は「正しい判断に大変感謝している。報道の影響により、いわれのない社会的制裁を受けたことへの悔しさが晴れることはない」と話した。 事件を巡っては、「処理経過を疑問に感じた」として、県警の内部情報を第三者に漏らした曽於署の元巡査長が、鹿児島地裁で8月に有罪判決を受けている。
南日本新聞 | 鹿児島
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