阪神から4位で指名を受けた埼玉武蔵ヒートベアーズ・町田隼乙＝埼玉県上尾市（撮影・沢野貴信）

プロ野球ドラフト会議　supported　by　リポビタンD（24日）胸の内で思い焦がれた球団から自らの名が呼ばれた。2年前からつながっていた〝赤い糸〟。意中の阪神からまさかの4位指名を受け、ルートインBCリーグ埼玉・町田隼乙（21、はやと）は埼玉・上尾市内での会見で目を丸くさせた。 「4位という順位で指名していただけると思っていなかった。急に自分の名前が出てきて…。本当にびっくりしました」 埼玉で今季51試合に出場し、打率・323、5本塁打と活躍した。「打撃が一番の持ち味。広角に長打が出るところを売りにしています」。球団も「打てる捕手として正捕手を担う可能性を秘めている」と期待する。 「キャンプで2年間お世話になって、自分の中でも指名されていきたいなと思う球団でした」 2年前、コーチから「NPBの球を見ておいた方がいい」と助言を受け、プロ野球春季キャンプのブルペン捕手のバイトに応募した。その派遣先が阪神2軍具志川キャンプ。そこから、虎と縁ができた。 今年の10月、具志川のブルペンで衝撃を受けた高橋から「ドラフト楽しみにしているよ」とエールをもらった。新人ではあるが、すでに何人もの虎戦士の球を受けていることも強み。同世代には同じ〝ハヤト〟の中川がおり、すでに虎ナインの間でも〝マッチ〟の呼び名で浸透している。 「阪神タイガースでクリーンアップで、捕手として試合に出たいです」 これからはバイト用の練習着ではない。身にまとうのは本物の縦じまのユニホームー。そのミットでつかみ取った夢舞台で暴れ回る準備はできている。（原田遼太郎） ■町田　隼乙（まちだ・はやと）　2003（平成15）年4月3日生まれ、21歳。神奈川県出身。光明学園相模原高からBCL・埼玉に入団。強肩強打の「打てる捕手」として期待が集まる。右投げ右打ち。186センチ、88キロ。 ★由規氏「スローイングを徹底的に改善していた」 ヤクルトなどで活躍し、今季限りでBCリーグ埼玉武蔵を退団および現役を引退した由規氏が町田の4位指名を見届けた。「一緒にプレーしていた身としてもうれしい。少しでも早く1軍の舞台で活躍できるように応援したい」。町田の魅力はやはり打撃力だが、由規氏は捕手としての成長に太鼓判。「本人も捕手として評価されたいというところでスローイングを徹底的に改善していた。近くで見ていても変わったなと思う」と目を細めた。