麻雀や家族への思いを明かした黒沢咲

　麻雀プロリーグ戦・Ｍリーグが熱い戦いを繰り広げている。女性雀士に思いを聞く本企画に黒沢咲（ＴＥＡＭ　ＲＡＩＤＥＮ／雷電所属）が登場。「強気のヴィーナス」と呼ばれている黒沢に麻雀への思いや、家族への思いを聞いた。全２回の２回目。 【写真】ママ雀士・黒沢咲の全身ショット 　　◇　　◇ 　－麻雀のプロになった後も会社員を続けた。 　「普通の営業職だったので忙しいし、たまに出張もあったんです。でも土日は麻雀の試合があったり、お店にゲストとして呼んでいただけるお仕事が増えてきて。月にお休みが１日ぐらいしかなかったんですよね。テレビの対局とかにも呼んでいただけるようになると平日が収録で有給を取らなくちゃいけなくなって、さすがに両方やりながら続けていくのが難しくなりました。ただ麻雀のプロを辞める選択肢が思い浮かばなくて、会社を辞めて、もしまた働きたいって思ったら、もう一回就職してみようという気持ちで辞めました」 　－家族から反対はされなかった？ 　「両親は最初の頃から麻雀活動を応援してくれていたんですよ。負けると一緒になってすごく悔しがって次は絶対勝つよ、みたいに言ってくれていました。反対されることはなかったです。（会社員時代から）家にお金を入れていましたし、そういうのも一切変えずに…会社を辞めるからもう払えませんとかはなく、変えずにむしろ増やせるようにと思って（プロ一本で）やろうと思いました」 　－結婚、出産で今度は子育てとの二刀流に。 　「大変さと幸せを比べるともう幸せの方が何十倍もたくさんあります。大変さがあるとすると、試合が結構夜遅いんですけれど、家に帰ると（午前）１時を過ぎたりすることもあって。（子どもは）毎日保育園に行っているので、朝は必ず７時台に起きて朝ご飯作って、送り出しています。あと３０分でいいから寝ていたいって思うこともありますが…主人が本当に協力的で、お風呂に入れたりとか、寝かしつけたりとか、しっかりやってくれるので安心して試合に行かせてもらっています」 　－ご主人の協力は心強い。 　「娘は結構パパ好きになんです。私もそれがすごく嬉しくて。パパもすごく頑張ってお世話をしてくれるし、良かったなと。４歳になって最近少しずつ、ママに抱っこしてもらってご飯を食べたい、とか、歯磨きはママにしてほしい、と言うようになって（パパが）ショック受けている姿を見て、ちょっと心配ではあります（笑）」 　－お嬢さんはママがプロ雀士だと知っている？ 　「わかっています。Ｍリーグをエミュリーグって言うんですけど（笑）。『今日はマージャンなの？』って聞いてくれたりします。主人は麻雀について一切わからないのですが、私がいない時に（テレビを）つけて一緒に見てくれているみたいです。試合に行く前には『ママ頑張ってね』と応援してくれています」 　－娘さんがプロ雀士になりたいって言ったら？ 　「（本人が）したいって言ったら、すごく応援すると思うんですけれど、私から教えたいとか、絶対プロになってほしいとかはないんですよね。理由としては（麻雀は）面白すぎるんですよ。あまり早く覚えるとはまってしまって…私自身、受験勉強とかしっかりできなかったんじゃないかなと思って」 　－得意な料理は？ 　「さんまご飯っていうのを毎年炊くんですけど、さんまを何匹か買って、半分は塩焼きして梅と一緒にご飯を出汁で炊くんですよ。もう半分は蒲焼きにして炊き上がったご飯にのせて食べる。炊き込みご飯はすだちを絞ったりして食べていますが、それがすごく好評で。料理は好きなんですけど、ちょっと手間がかかったり、面倒なものをあまり時間を気にせずに自分の納得行くまでやるみたいなお料理が好きです。なので…あまり普段の生活には役に立ってないというか（笑）」 　－料理を始めたのは結婚後？ 　「小学校ぐらいからお菓子を作ったりして、好きでしたね。母親の実家が札幌なので、時期になると大きい鮭がそのまま（一匹）届いたりするんですよ。母親は切るのが苦手だと言って、中学生ぐらいから私がその大きな鮭をおろしたり、いろいろやらせてもらいました。結婚前は和食や中華を習いに行ったりもしていました。とにかくみんなでお酒飲むのが好きなんですよね。実家も近いので週に３回ぐらいは一緒にご飯を食べているかな。実家で、私と母と妹の３人で料理をして、その後宴会するみたいなことばっかりやっています」 　－チームのファンの方へメッセージをよろしくお願いします。 　「プロになった頃は強くなりたいとか強い人と打ちたいっていう気持ちだけで突っ走ってきていたんですが、特にＭリーグが始まってから、応援してくださるみなさんと一緒に喜びたい。それが自分の頑張る原動力になっています。みなさんと一緒に喜べるような結果が出せるように頑張りますので、引き続き応援お願いします」 　◆黒沢　咲（くろさわ・さき）　北海道札幌市生まれ、東京都育ち。上智大学卒。ＴＥＡＭ　ＲＡＩＤＥＮ／雷電所属。日本プロ麻雀連盟所属。学生時代に麻雀を始め、０５年に日本プロ麻雀連盟２１期生としてプロ入り。１８年、Ｍリーグドラフト会議にてＴＥＡＭ　ＲＡＩＤＥＮ／雷電から３位指名を受ける。１９年には日本プロ麻雀連盟Ａ１リーグに昇級。独自の打ち筋「セレブ麻雀」で、Ｍリーグ３シーズン連続３桁プラスを達成。愛称は「強気のヴィーナス」。 　◆Ｍリーグ　優勝賞金５０００万円を９チームで争う。１チーム男女混成の４人で構成。レギュラーシーズンの上位６チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位４チームがファイナルシリーズに進み、優勝を目指す。ＡＢＥＭＡで全試合無料生中継中。