詐欺罪で禁錮25年となったFTX創業者の「元恋人」に懲役2年の判決
米ニューヨークの連邦裁判所は9月24日、2022年に経営破綻した暗号資産取引所FTXの元幹部、キャロライン・エリソンに懲役2年を宣告した。3月に禁錮25年を宣告されたFTX創業者のサム・バンクマン・フリードの最側近の一人で交際相手だった彼女は、同社が破産を申請した直後にその運営に関連した詐欺罪で有罪を認めていた。 アクシオスとブルームバーグの報道によれば、ルイス・カプラン連邦判事は、2022年12月に有線通信詐欺やマネーロンダリングの共謀などのバンクマン・フリードと同様の罪で有罪を認めた29歳のエリソンに対し、24カ月の刑を宣告した。彼女は、比較的自由度が高い矯正施設で刑期を務めることになるとブルームバーグは報じている。 エリソンは、FTXの姉妹会社である暗号資産ヘッジファンド、アラメダリサーチの元CEOで、FTXの幹部やバンクマン・フリードらと共謀して、FTXの顧客の資産をアラメダに横流ししていた。 「私は、最終的に数十億ドルの顧客の資産を盗むことにつながった犯罪の共謀に関与した」と彼女は24日の法廷で述べ、「捜査に協力できてほっとしている」と付け加えた。 一方、裁判で無罪を主張したバンクマン・フリードには、3月に25年の禁錮刑が宣告されており、エリソンの処罰は、それよりもはるかに軽いものとなった。これは、検察側が彼女の捜査への協力を評価し、「寛大な判決」を下すよう判事に要請したためだと見られている。 検察は先週、エリソンの「並外れた捜査への協力」を理由に、より寛大な判決を支持するとしていた。エリソンの弁護士は、3年間の保護観察処分を主張していた。 法の専門家の中には、エリソンが懲役を免れる可能性があると述べる者もいた。元連邦検事補のケビン・J・オブライエンは、CNBCに対し、バンクマン・フリードを追い詰めるために協力したエリソンには保護観察処分が妥当かもしれないと述べていた。 米国史上最も重大なホワイトカラー犯罪の一つとされるアラメダとFTXの詐欺スキームは、2022年11月に発覚した。両社の幹部は、FTXの顧客の資金を不正にアラメダの損失の補てんに流用することを承認していた。 エリソンと32歳のバンクマン・フリードは、2015年にクオンツ取引会社のジェーンストリートで初めて出会い、その後、2020年から2022年にかけて断続的に交際していた。米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は、2022年に「キャロライン・エリソンとサム・バンクマン・フリードは、彼らの砂上の楼閣の価値を支えるために共謀した」と主張していた。
Derek Saul