「スティープ」はそもそも“悪”なのか【レッスン用語♯11/スティープ】
シャローイング、スティープ、サイドベンド…、レッスン界には実に多くの専門用語があふれている。今企画はそうした一見難しそうなレッスン用語を、プロコーチ界の第一人者・内藤雄士に解説してもらう。“辞書”をひも解き、上達に役立ててもらいたい。11回目は「スティープ」について。 【画像】大西魁斗の14本 「TSi3」に2代目「T100」…夢の舞台は使い慣れたクラブで挑む 大西魁斗の最新14本
そももそも「スティープ」とは
スティープとはシャフトの傾きに対して使われる用語。構えた時のシャフトプレーンよりクラブが立って下りてきたらスティープ、寝て下りてきたらシャローと呼びます。本来シャフトプレーンに近い所にクラブを通したい。ですからスティープだとスイング軌道がアウトサイドインになるので、スライスか、引っかけかになりやすい。アマチュアの人はどうしてもスティープが多いと思います。
アマチュアにスティープが多いのはなぜか
スティープになりやすいのは、関節の可動域の影響があります。スティープ自体は悪ではありません。ただし、腕の動きには内旋(右ひじが上方向を向いた状態)と外旋(右ひじが下方向を向く状態)があって、内旋した状態でのスティープは悪。スコッティ・シェフラーもスティープですけど、内旋方向には動いていない。その動きをやってみると分かると思いますが、外旋させたまま前傾してトップまで胸を回すと、腕の外側とかわき腹とか肩甲骨とかが張ってきつくなる。正しいトップを作るにはこの外旋運動が不可欠ですが、皆さんきついから楽な体勢でトップを作ろうとする。結果、内旋した状態でのスティープになりやすいんです。
可動域の範囲内でトップを作ろう
体が硬いなら硬いなりに、クラブが上がる限界で終わったほうがいいです。無理やりそこからクラブを上げようとしてシャフトクロス(クラブが飛球線より右を向く)したりすると、過度なスティープにも。可動域が狭い人は無理にトップを大きくするのではなく、可動域の範囲内で、しっかり胸を回し、腕を外旋させてトップを作ってください。それでもクラブはしっかりプレーンに乗りますから。練習などではフルショットしないで、プレーンに乗った状態から打つ練習をするのもいいと思います。