「日本人の美徳」持った人気キャラたち、海外進出でも“曖昧さ”貫く真意とは? メーカーに聞く
■支持されるデザインや色合いも国によってさまざま…でも、キャラの世界観は変えない「謙虚さや反省する様も好きになってほしい」
同社は、リラックマ以外にも、こげぱんやアフロ犬、たれぱんだ、すみっコぐらしと、数々の人気キャラクターを生み出してきた。創業は1932年(昭和7年)まで遡り、海外展開は40年ほど前から手掛けている。台湾や香港などアジアの限られた地域での物販が先行して始まり、その10年後の約30年前から海外ライセンス展開もスタートさせた。 リラックマも、早い段階からアジア圏を皮切りに展開。2014年にはニューヨークの有名なおもちゃ店『FAOシュワルツ』でポップアップショップを開催したことも。以降、徐々に北米での認知も高めていく。 2019年にはNetflixでアニメ『リラックマとカオルさん』が配信され、世界190カ国で視聴可能になったことも認知拡大を後押し。当初、大人の視聴者を意識して作成したアニメ作品だったが、海外では子どもからも人気に。2022年に配信された『リラックマと遊園地』は、国際エミー賞キッズアワードにノミネートされている。 世界展開が進むにつれ、国によって好まれる色やデザイン、キャラクターの違いも明らかになってきたと同社の担当者は言う。台湾はシンプルめなデザイン、韓国では白くてフワフワした“コリラックマ”が人気、海に囲まれているシンガポールでは、“じんべえさん”のような海に関係するキャラクターと、趣味嗜好が異なると感じるそうだ。 そのため、海外での商品展開では国内では立案されない色や衣装も。サイズ感も、日本ではバッグにつける小さいサイズが人気だが、海外では両手で抱えられるMサイズを多く展開するなど、好みに合わせて変化させている。ただ、色や衣装は変えても、キャラクターそのものの世界観やデザインは変えないのが同社のポリシー。 「リラックマもそうですが、日本人の美徳が反映されたキャラクターが“サンエックスらしさ”の一つ。そこを変えることは考えていません。謙虚だったり、反省してみたり、そんなキャラクターのメッセージや世界観そのものを海外の方にも好きになってほしいです」